Wiz Khalifa(ウィズ・カリファ)のストナーミュージックとトラップミュージックの関係性について #3

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〈28 Grams/ Blacc Hollywood〉
Wiz(ウィズ・カリファ)の次のミックステープとアルバムがコンボになった作品は、前作までのもっとトラップ感の強い曲と、そして後に聞き手のことを考えポップを取り入れるようになった曲で、今の流行に乗るように作られている。しかし今回は、トラップ音楽がそのほとんどを占めている。

WizがI.D. Labs(I.Dラブズ)やSledgren(スレグレン)にほとんどの曲作りを任せた前回作とは違い、『28 Grams』はMetro Boomin(メトロ・ブーミン)、Sonny Digital(ソニー・デジタル)、Zaytove(ゼイトーブ)や808Mafia(808マフィア)のメンバーなど、実際に2014年にトラップ音楽を制作者達と協力しており、このテープは全体的にトラップ音楽で構成されていて、Schoolboy Q(スクールボーイQ)、T-Pain(Tペイン)、Miss Elliot(ミス・エリオット)や、その他による曲に関してはフリースタイルを使用している。

以前にも増して、これらのプロデューサーがよく一緒に仕事をする”本物の”トラップラッパーのスタイルを作りだしている。なので、今までのWizの作品に比べてもっと彼のキャラクターの域を超えたテープの1つとなっている。問題なのは『28 Grams』の収録曲の多さではあるが、自分の好きなものだけを選び聞けば、大満足のWizのトラップ作品が聞けるであろう。中でもBlacc Holywoodの”World On The Town”は素晴らしいPimp C(ピンプC)のバースをフィーチャーしているアンセム調のナンバーとなっており、House in the HillsではCurren$y(カレンシー)との一曲では渋さを出している。そして次に28 Gramsの”Different So Fast”はポップトラップ調の曲となっており、Lil Uzi Vert(リル・ウージー・バート)が初めてゲストとして大きく取り上げられた曲となった。

これらの曲が成功したのは、創造的であり、かつ元来のトラップ音楽を取り入れつつ、Wizの特徴にも染まっているからだろう。他はそうとは言えない。

多様性でいえば、『Blacc Hollywood』のほうが『28 Grams』よりそうかもしれないが、質においては、またもや良い物と、いまいちな物がごたまぜな作品になている。Wizの今までのトラップ音楽でもっとも最高の曲からスタートしており、その耳に残りそうな”We Dem Boys”はポップな感じとトラップが良い具合に結びついていて、必要以上に怖さがあるわけでもなく、ロックな感じもある。他では 、トラップ色の強い”Ass Drop”や、かなりハイになった感じの”Raw”など、 トラップを軸とした曲となっており、この時点でトラップ音楽とはメインストリームの中で効果が大きいことがわかった。なので、Wizがいわゆるポップ調の曲を作るように言われたわけではないのは明確だが、結果として、ここでの”トラップ”とはGucci Mane(グッチ・メイン)というよりは、Flosstradamus(フロストラダムス)のようないわゆるEDM(Electronic Dance Music)に共通するものがある。”We Dem Boys”のように、クラシックなKhalifaのカリスマ性とうまく合えば、それが繋がるのだが、彼がどこかで考えなしにやり過ぎてしまうと、行き場のない道をいってしまうかのような曲になってしまう。

〈New Track/Rolling Papers 2〉
次回作であるRolling Papers 2はWizのファンにとって全盛期の復元を期待するものとなりそうだ。

今年初めにリリースした曲と比べてみても、今流行りのトラップと彼のちょっと変わった行動が見事にミックスされたものとなっているのが、Harry Fraudプロデュースの”The Play”である。軽快なBat For Lashesのサンプルとドラムの音が響く中、トラップのトリッピーは自分が本当に属しているところでありハイになってラップをすることとコツコツと精を出すことを分けることができるとういう。

現在のところ、RP2に何が収録されるかは定かではないが、ここ数週間でWizがリリースした楽曲は夏に出した曲よりも成功していると言えそうだ。Fraudがプロデュースした”Just Because”を除いては、その全てがトラップ調であるが、面白いものとなっている。

Mike Will(マイク・ウィル)プロデュースの”Burn Slow”は軽く、トリッピ―でソフトな感じとなっており、Swae Lee(スウィ・リー)からの音楽を上手く取り入れている。

一方で”King Of Everything”はもっとアップビートでありラップとしては技術的にも印象的なものとなっている。”Most Of Us”はとても創造力に富んでいるThree 6 Mafia(スリー・シックス・マフィア)の初期の作品をヒントに作られており、Wizが恐怖になり過ぎない程度の奇妙なサウンドを出している。

新曲である”Fucc Day”はベッドルームの歌であり、トラップ調でもあるが、Future(フューチャー)の”Rich Sex”からのWiz自身の1ショットである。これらの楽曲は制作スタイル、歌詞またはWizの歌い方が他のどの曲よりも目立っている、しかし不思議なことに、特色がない物が特に1つもない。これはWizが以前、自分のジャンルを見つけていく上で課題となっていたことだ。Rolling Papers 2は、Wizの最近のディスコグラフィーの中ではまだトラップミュージックを風靡するとまではいかないが、今回は彼の個性が前面に出ているかもしれない。

▼Wiz Khalifaプロフィール▼
http://illegal-assembly-of-music.com/wiz-khalifa/

▼Wiz Khalifa情報一覧▼
http://illegal-assembly-of-music.com/category/artist-info/wiz-khalifa/

▼Wiz Khalifa(ウィズ・カリファ)のストナーミュージックとトラップミュージックの関係性について #2▼
http://illegal-assembly-of-music.com/wiz-khalifa-news-14/

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