PUSHA T

Pusha-t

Pusha T(プッシャT)

Terrence Thornton(テランス・トーントン)

生年月日:1977年5月13日(37歳) 

Pusha T(プッシャー・T)としてその名を知られるアメリカ、ヴァージニア州、ヴァージニア・ビーチ出身のヒップホップアーティストである。ヒップホップデュオClipse(クリプス)の片割れとしても名が知られており、もう一人のメンバーは実の兄弟でラッパーの Gene “No Malice” Thornton(ジーン・“ノーマリス”・トーントン)である。ふたりは、Re-Up Records(リ・アップ レコーズ)を立ち上げ、ふたりでCEOを兼任している。2010年9月には、歌手としての契約をKanye West(カニエ・ウエスト)のGOOD Music Label(グッド・ミュージック・レーベル)と締結したことを発表。2011年の3月に初めて、ソロ名義でミックステープの「Fear of God(フィアー・オブ・ゴッド)」をリリースした。この後、2013年10月に、デビューアルバムとなる「My Name Is My Name(マイネーム・イズ・マイネーム)」を発表した。

 

Pusha Tは1977年5月13日に Terrence Thorntonとして、ニューヨークのブロンクス地区で生を受ける。 誕生後すぐに一家は、ヴァージニア州ノーフォークへ移住。彼と弟のGene ‘No Malice’ Thorntonはそこで育った。1992年にふたりはヒップホップデュオ Clipseを結成した。同じヴァージニア出身でプロデューサーのPharrell Williams(ファレル・ウィリアムズ)の援助もあり、デュオは1997年にElektra Records(エレクトラ・レコーズ)と契約、 アルバム「Exclusive Audio Footage(エクスクルーシブ・オーディオ・フータージュ)を発表する。(しかしながら、デュオがこのレーベルで発表したアルバムは、この一枚のみであった。)兄弟のうち、Terrenceの方が他のアーティストとのコラボレーションに積極的で、Kelis(ケリス)の 1999年のシングル「Good Stuff(グッド・スタッフ)」や、Nivea(ニベア)の 2001年のシングル 「Run Away (I Wanna Be with U) ランナウェイ(アイ・ワナ・ビー・ウィズ・ユー)」といった作品にそれぞれ参加している。2004年、ふたりの兄弟は自身のレーベルの立ち上げに着手。Re-Up Recordsを設立すると、ラッパーのAb-Liva(アブ-リヴァ)、Sandman(サンドマン)といったアーティストと共に、ヒップホップグループRe-Up Gang(リ・アップ ギャング)を結成する。2006年、彼らは第3作となるアルバム「Hell Hath No Fury(ヘル・ハス・ノー・ファーリー)」をリリース。これが商業的にも、音楽的にも最も評価されたアルバムとなった。 この後、2009年にはClispe名義でもう一枚のアルバムをリリースするが、これを皮切りにNo MaliceとPusha Tはそれぞれの個人名義での活動に専念するとして、デュオ名義での活動休止を発表した。

 

2010-2011: Solo career with GOOD Music and Fear of God series

2010年、GOOD Music所属のアーティストとして、同レーベルのアーティスト作品で多数の共演を果たす。Kanye Westのアルバム「My Beautiful Dark Twisted Fantasy(マイ・ビューティフル・ツイステッド・ファンタジー)」の中で、共演したシングル「Runaway(ランナウェイ)」は、自身名義では初めてMTV Video Music Awards(MTVミュージック・ヴィデオ・アウォード)にて紹介された。このほかにも、同じくWestの「GOOD Friday」シリーズの中での複数の楽曲や、Swizz Beatz(スウィズ・ビーズ)の「Monster Mondays(モンスター・マンデーズ)シリーズ、Lloyd Banks(ロイド・バンクス)の 「Hunger for More 2(ハンガー・フォー・モア2)」、Tabi Bonney(タビー・ボニー)の「Fresh(フレッシュ)」といった作品でそれぞれ共演を果たしている。2010年の12月には、NUEエージェンシーと契約。2011年2月には、ニューヨークシティのラジオ局Hot97で、DJであるFunkmaster Flex(ファンクマスター・フレックス)がPusha Tのソロ楽曲の放送を開始。 Hit-Boy(ヒット-ボーイ)のプロデュースによる「My God(マイ・ゴッド)」というタイトルのこの楽曲は、このラジオの放送をきっかけに、次第に認知されるようになる。 すると、このすぐ後、ラジオで放送されていた楽曲がインターネットでダウンロードされ、公式ではないにもかかわらず、iTunesとAmazonで2011年8月まで販売されていた。

2011年3月、「My God」を含むアルバム「Fear of God」をミックステープとして発表。発表後すぐにEPアルバム「Fear of God 2:Let Us Play(フィアー・オブ・ゴッド2;レット・アス・プレイ)」の制作を開始。このEPアルバムは、ミックステープ「Fear of God」から4曲、新たな楽曲を5曲加えてのリリースされることになった。

2011年8月、Pusha TはDef Jamとの間でアーティスト契約の締結を発表。当初の予定では、EPアルバムの発売は2011年の6月を予定されていたが、これを受けて2011年の8月、更にその後10月と発売日が延期され、最終的に11月8日に発売された。9曲の構成で発売される予定だったこのEPアルバムには、最終的に12曲が収録された。

EPアルバム「Fear of God II: Let Us Pray」からの初のシングルは、2011年の7月の時点で、インターネット上で非公式に音源が配信されてしまう。楽曲のタイトルは「Trouble on My Mind(トラブル・オン・マイ・マインド)」で、Odd Future(オッド・フューチャー)のフロントマンである Tyler(テイラー)がクリエイターとして参加している。 セカンドシングルである「Amen(アーメン)」は、2011年の9月にはリリースされている。 発売後、このアルバムは全米ビルボードアルバムランキングで初登場第66位を獲得。登場週の売上が8,900部を達成した。また、ビルボードのR&B/Hip-Hopアルバム部門では10位、Rapアルバム部門で第8位をそれぞれ獲得し、デジタルアルバムチャートでは25位にランクインした。アルバムリリース直後、Pusha Tは、新たなアルバム制作を開始。エグゼクティブプロデューサーにKanye Westを迎え、The Neptunes(ザ・ネプチュ-ンズ)、 Bangladesh(バングラデッシュ)、 Ryan Leslie(ライアン・レスリー)、Alex da Kid(アレックス・ダ・キッド)といったアーティストからの楽曲提供を受ける。このアルバム制作と並行して、弟のNo Maliceと再びRe-Up Gangとしてミックステープ(自主制作アルバム)である「Long Live the Cane(ロング・リブ・ザ・ケーン)」を制作。彼らは、更にもう一枚アルバムを制作しリリースする予定である。

2011年の下旬には、イギリスのポップシンガーPixie Lott(ピクシー・ロット)がPusha Tとのコラボレーション楽曲 「What Do You Take Me For?(ワット・ドゥー・ユー・テイク・ミー・フォー?)」をリリース。彼女のセカンドアルバム「Young Foolish Happy(ヤング・フーリッシュ・ハッピー)」にも収録されているこのシングルは、UKチャートで10位を獲得している。

 

2012-present: Cruel Summer and My Name is My Name

2011年10月、Kanye WestはTwitterと通じて、2012年春に(自身のレーベルである)GOOD Musicのアルバムをリリースする予定であることを発表。2012年の4月、このコンピュレーションアルバム「Cruel Summer(クリュエル・サマー)」のリードシングル「Mercy(マーシー)」がリリースされる。「Mercy」は、新たにレーベルに加わったプロデューサーLifted(リフテッド)の手によるもので、 Pusha T、Kanye West、 Big Sean(ビッグ・シーン) 、2 Chainz(2チェインズ)が参加している。続く5月には自身の名義でシングル「Exodus 23:1(エキソドス23:1)」をThe-Dream(ザ・ドリーム)をフィーチャーする形でリリース。この楽曲はラッパーDrake(ドレーク)とLil Wayne(リル・ウェイン)に向けて作られたディス・トラックとの評判を呼んだ。Lil Wayneによるディス・トラックが要因で作られたのではという憶測に対して、Pusha T自身は明言は避けているが、(Lil Weyneの)楽曲の印象について「最悪だね」とあるインタビューで語っている。この後、アルバム「Cruel Summer」に収録されるシングルとして、Westと共に「New God Flow(ニュー・ゴッド・フロウ)」を制作した。

2012年の10月には「The Man with the Iron Fists(邦題;アイアン・フィスト)」のサウンドトラックへ楽曲「Tick Tock(ティック・トック)」を提供。この楽曲ではラッパーのRaekwon(レイクウォン)、Joell Ortiz(ジョエル・オーティッズ)、Danny Brown(ダニー・ブラウン)といったメンバーとの共演を果たしている。

2012年10月8日、Pusha TはラッパーFiture(フューチャー)とコラボしてシングル「Pain」をリリース。このシングルが、自身初となるスタジオ収録アルバムのための初シングルとなった。シングルリリース日、Spin(スピン)マガジンが、アルバムのリリースが2013年に延期されたことを発表。しかしカナダのバンクーバーでステージを行ったPusha Tは、アルバム発売に先駆けて、自主制作アルバムの「Wrath of Cain(ラース・オブ・ケイン)」がリリースされる予定であることを発表した。同じ年の11月には、発売予定のアルバムタイトルが「My Name Is My Name(マイ・ネーム・イズ・マイ・ネーム)」になることを明かした。12月、アルバム「Wrath Of Caine」からのシングル「Blocka(ブロッカ)」をリリース。このシングルではTravis Scott(トラヴィス・スコット)と Popcaan(ポップカーン)との共演を果たしており、PVもリリース一週間後の12月11日に発表されている。アルバムは、翌年の2013年1月に発売され、スタジオアルバムに関しても、2013年の上半期中には発売されるとした。また、コーチェラ・フェスティバル2013に出演することもこの同じ月に発表されている。

アルバム「My Name is My Name」は、リリース日を2013年の7月に予定されていたが、実際には発売日が10月まで延期された。プロデューサーにKanye West、The Neptunes、 The-Dream,、Just Blaze(ジャスト・ブレイズ)、 No I.D.(ノーI.D.) Nottz(ノッツ)、 Don Cannon(ドン・キャノン) 、Swizz Beatz(スウィッツ・ビーツ)を迎え、フィーチャーするアーティストもRick Ross(リック・ロス)、2 Chainz、 Kanye Westといった豪華な顔ぶれが並んだ。このアルバムリリース後すぐに行われた(オンラインマガジンの)AskMen(アスクメン)のインタビューの中で、彼は次回作のアルバム「King Push(キング・プッシュ)」の制作がそろそろ終盤に差し掛かっていることを明かしている。

Pusha TはLinkin Park(リンキン・パーク)のリミックスアルバムの中で、「I’ll Be Gone(アイル・ビー・ゴーン)」にゲストボーカルとして参加。 Linkin ParkのボーカリストでプロデューサーでもあるMike Shinoda(マイク・シノダ)は、バンドのオフィシャルFacebookページにて、Pusha Tやその他のアーティストに向けて謝辞を綴っている。

オフィシャルサイト(英語):http://pusha-t.com

 

■ALBUM■

Lord Willin’ (2002) (with Malice as Clipse)
ARI14735LP

Hell Hath No Fury (2006) (with Malice as Clipse)
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Til the Casket Drops (2009) (with Malice as Clipse)
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Fear of God II: Let Us Pray (2011)
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Cruel Summer (2012) (with GOOD Music)
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My Name Is My Name (2013)

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King Push
KING PUSH

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