Kendrick Lamarがアルバム「good kid, m.A.A.d city」の不安克服

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Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)、Andre 3000(アンドレ3000)に『Bitch, Don’t Kill My Vibe(ビッチ、ドント・キル・マイ・ヴァイブ)』を披露したときのことを回想、またリーダーとしての役割を受け入れることについて語る。

  

OutKast(アウトキャスト)のリリシストであるAndre 3000は、Kendrick Lamarのアルバム「good kid, m.A.A.d city(グッドキッド・マッドシティ)」をリリース前に聴くことができた数少ないひとりである。XXLマガジン2014年冬号では、K-Dot(K-ドット(Kendrick Lamar))が、なぜ「good kid, m.A.A.d city」のリリース前に、Andre 3000に『Bitch, Don’t Kill My Vibe』を披露することになったのか、そのいきさつを話している。

カリフォルニア出身のラッパー、Compton(コンプトン)によると、彼はDr. Dre(ドクター・ドレー)、Andre 3000と共にスタジオ入りした際、Dr. Dreから「Play some stuff. (何かやってみろ。)」と促されたという。ComptonはAndre 3000と会うまで、アルバム制作中は他人に音源を聴かせることはなかった。

「初めてAndre 3000に『Bitch, Don’t Kill My Vibe』を披露したときは、リリース前だったと思う。アルバム制作中、俺は内容を他の人と共有することはないんだ。でもAndre 3000の場合、彼がDr. Dreとスタジオにいて、Dr. Dreが俺に『Play some stuff.』と言ったからやっただけなんだ。Dr. Dreには、『ノー』とは言えないからね。だけど、自分が音楽をつくるとき、他人に聴かせることはほとんどない。だって、そのことで自分のクリエイティブな部分が100%揺さぶられるかもしれないだろ。だから、(音楽をつくるときは)ラジオを消して、他の音楽をシャットアウトする。そうでないと、受けたくもない影響を受けてしまうかもしれないからね。これが俺のやり方なんだ。これが自分自身で管理できる唯一の方法のような気がする。自分勝手な考え方かもしれないけど、俺には自分勝手にやる権利があるんだ。」とKendrick Lamarは語る。

 Kendrickは、「good kid, m.A.A.d city」のレコーディング中、アルバムが成功を納めるかどうか、懸念を抱いていたことを明かした。そして、彼が作品について大きな不安に感じていたとき、Pharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)から賞賛の言葉を受けたという。

 「good kid, m.A.A.d city」がここまで成功するとわかっていたと言ったら嘘になる。最初はどうなるのかわからなかった。アルバムが完成すると、すぐに不安に襲われた。自分が作ったものに対して自信はあった。『これだ。誰もこんなストーリーを聞いたことがないはずだ。もしあるとしたなら、それは断片的にだろう。でも俺は、このストーリーをアルバム全体で説明している。コンプトン、フッド、ストリートも。これは全く別の見方・観点だ。俺はBiggie(ビギー)やDr. Dre、Snoop(スヌープ)や2 Pac(2パック)の様に、スキットを挟み、ストーリーを伝えるんだ。』ってね。そして、作業が終わると、『ラジオでは何がかかってんだ?どうせスキットなんてやってないだろう。』って感じになるんだ。みんなは俺がアルバムで何を言っているのかわからないだろうね。だってこれは、組み合わさったパズルみたいなものだから。でもこんなアルバムは今まで作られたことはないだろ。」

そしてTDEラッパーは、「でもみんなが理解してくれるか不安だった」と続けた。「そんな時、Pharrellから電話をもらったんだ。アルバムのコピーを聴いたってね。褒めてくれたよ。本当にいいタイミングで連絡をもらってね。だって、その時はアルバムに対して物凄くナーバスになっていた時期だったから。Pharrellは言ったよ。『二度とそんな風に感じるな。そんな気弱な男がお前の頭の中に現れたら、最初に感じたことに従え。そしてお前は初心に従った。だからこのアルバムができたんだ。』とね。そして『何が起こるか見ていてごらん』と言ってくれたよ。」

その後、Kendrickは名声を得たが、それに伴って求められるリーダーとしての役割に苦しんだと語る。そして、この時、他のアーティストの世界的“ロールモデル”になることは“避けられない”ものであり、自身はその責任を負う必要があるということも付け加えた。

 「自分の中でリーダーシップというものを受け入れることが一番困難だったよ」と、Kendrickは語る。「人は常に成長し、『ロールモデル』を嫌う。『ロールモデルなんかになりたくない。そんなものは欲しくない』ってね。でも現実では、自分が最も大きなロールモデルなんだよ。ロールモデルの肩書きと戦うことなんてできないんだ。特に、俺が作っている音楽はとてもパーソナルなものだからね。みんな、俺に共感したり、自分自身を俺に投影したりしてる。みんな違う世界で生きているけど、俺の人生すべてを知っているような気になる。だから、外に出て、みんなと直接会ったりしても、『Kendrick、ちょっとサインくれない?』とか『写真撮って』なんてことは言われないよ。みんな、俺とちゃんとした話をしたがるんだ。俺の音楽がみんなの人生に影響を与えてる。そしてそれが俺にとっての報いなんだってことがわかったよ。」

▼Kendrick Lamarプロフィール▼
http://illegal-assembly-of-music.com/kendrick-lamar/

▼Bitch, Don’t Kill My Vibe▼

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