- 2014-7-23
- MILEY CYRUS
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Miley Cyrus(マイリー・サイラス)
本名:Miley Ray Cyrus (マイリー・レイ・サイラス)
生年月日:1992年11月23日(22歳)
アメリカ出身の女優、歌手。父はカントリーシンガーのBilly Ray Cyrus(ビリー・レイ・サイラス)。幼い頃から、TVドラマシリーズ「Doc(ドック)」や、映画「Big Fish(ビッグ・フィッシュ)」での出演を果たす。2006年、ディズニーチャンネルでのドラマシリーズ「Hannah Montana(ハンナ・モンタナ)」にて、彼女自身を投影した役柄であるマイリー・スチュワートを演じ、ティーンズからの絶大な人気を獲得する。 2007年、ハリウッドレコードを歌手としての契約を果たし、アルバム「Meet Miley Cyrus(ミート・マイリー・サイラス)」を発表。これは全米レコード協会(RIAA)から、クワド・プラチナレコード(ミリオン)の認定を受け、実際に400万枚もの売り上げを果たした。彼女のヒットシングルである「See You Again(スィーユーアゲイン)」もここから生まれている。
2008年には、ヒットシングル「7things(7スィングス)」を含む、2nd アルバムの「Breakout(ブレイクアウト)」を発表。同年、映画「Bolt(ボルト)」の中で声優デビューも果たしている。2009年には、映画「Hannah Montana: The Movie(ハンナ・モンタナ ザ・ムービー)」の中で主役を演じると共に、映画の挿入歌でもある「The Climb(ザ・クライム)」も含んだサウンドトラックを手掛ける。同年、EPアルバムの「The Time of Our Lives(ザタイムオブアワーリブズ)」ではヒットシングル「Party in the U.S.A(パーティーインザUSA」を含む、より成熟した印象を打ち出すことに成功した。この良い意味での“大人っぽさ”は、(このアルバム自体は、多作品に比べ若干売上が伸びなかったものの)2010年のアルバム「Can’t Be Tamed(キャンビーテイムド)」の随所にも表れている。 この年の後半には、映画「The Last Song(ザラストソング)」の主演に抜擢される。この時、映画の共演者であるLiam Hemsworth(リアム・ヘムズワース)とは、役柄だけではなく、実生活でも恋愛関係となり、ふたりの関係は2013年にふたりが婚約関係を解消するまで続いた。
2011年、2012年は彼女にとって、女優としての活動を中心に仕事をしていた時期であり、この間いくつかの映画やTVシリーズでの露出があった。この後、RCAレコードとのアーティスト契約を結び、4th アルバムの「Bangerz(バンガーズ)」を2013年に発表した。このアルバムのプロモーションを行う中で、よりセクシャルなパフォーマンスや言動を行うことで、彼女をまとうパブリックイメージに賛否両論が集まる。特にシングル「We Can’t Stop it(ウィーキャンストップイット)」、「Wrecking Ball(レッキングボール)」では過激な内容のPVが作成され、話題となる。この人々からの注目度も作用して、シングルは自身初となる、全米ビルボードチャートの1位を獲得した。
サイラスは、映画「Hannah Montana(ハンナ・モンタナ)」のサウンドトラック2作を含め、過去5作品で全米ビルボードアルバムチャートの中で第1位を獲得しており、数えきれないほどの受賞歴、ノミネート歴がある。2010年には、フォーブス誌が年間の長者番付で13位に名前を挙げており、2011年にはギネスブックが、2009年11月の全米ビルボードチャート100に29曲がランクインしていた事実を受けて、「最も名前がチャートインしたティーンエージャー」として認定を行っている。2013年にはMTVアウォードで「最優秀アーティスト」に選ばれている。
Life and career
1992–2005: Early life and career beginnings
Destiny Hope Cyrus(デスティニー・ホープ・サイラス)は、1992年11月23日、テネシー州、ナッシュビルで 、母Letitia Jean “Tish” Finley(レティティア・ジーン・“ティッシュ”フィンレイと カントリーシンガーの父Billy Ray Cyrus(ビリー・レイ・サイラス)の間に生まれる。彼女の名前であるDestiny Hope(運命、希望の意)は 両親が、彼女の人生において素晴らしいことに恵まれるように、という願いを込めてつけられた。また、Mileyは、彼女のニックネーム“Smiley(にこちゃん、スマイリー)”を短縮したもので、元々生まれたばかりの頃からよく笑う子供だったことから、“Smiley”と呼ばれるようになり、そこからMileyと呼ばれるようになった。2008年、彼女は正式に名前をMiley Ray Cyrus(マイリー・レイ・サイラス)に変更。ミドルネームのReyは、政治家で祖父のRonald Rey Cyrus(ロナルド・レイ・サイラス)に敬意を込めて付けられた。2006年に彼が亡くなるまで、ふたりは非常に仲の良い関係を続けていた。93年12月、彼女の両親は、Billy Ray(ビリー・レイ)の所属するレコード会社の反対を押し切って結婚。ふたりの間にはMileyのほか、息子であるBraison(ブレイゾン)と娘のNoah(ノア)がいる。Mileyには、このほかTrace(トレース)とBrandi(ブランディ)というふたりの異父兄と、Christopher(クリストファー)という異母兄がいる。兄であるChristopherは母のKristin Luckey(クリスティン・ラッキー)とサウスカロライナで育つ。彼女の兄弟の中で、3人が芸能業界で仕事をしており、TraceはエレクトリックポップバンドMetro Station(メトロステーション)のボーカル兼ギタリストで、妹のNoahは女優、Brandiはギタリストである。Mileyのゴッドマザー(後見人)はエンターテイナーのDolly Parton(ドリー・パートン)である。
サイラスは、テネシー州ナッシュビルの郊外、フランクリンにある500エーカー(2平方キロメートルの農場で育ち、Heritage Elementary School(ヘリテイジ・エレメンタリースクール)に通った。彼女はカソリックの家に育ち、2005年にハリウッドに移住するまでは、 Southern Baptist(サウザン・バプティスト) 教会に毎週通っており、ピュリティ・リング(注;純潔を表すリング)を日常的に嵌めていた。 8歳で、父親の仕事(TVシリーズ「Doc」の収録)の関係でカナダ、トロントに移住した。
2001年に、Billy Ray がトロントのロイヤル・アレキサンドラ劇場で上演されていたMirvish(マーヴィッシュ)カンパニーによる「Mamma Mia!(マンマミーア!)」にMileyを連れて行った際、「これがやりたい!私女優になる!」と父の腕を掴んで宣言。トロントのアームストロングス・アクティングスタジオで、演技と歌唱のレッスンを始める。「Doc」でKylie(カイリー)という少女の役を演じてTVデビュー。2003年には、Tim Burton(ティム・バートン)監督の「Big Fish」にRuthie (ルーシー)役で出演、この時のエンディング・クレジットには、本名が載った。この頃、彼女は映画「The Adventures of Sharkboy and Lavagirl in 3-D(ザアドベンチャーズオブシャークボーイ&ラヴァガール3D」にTaylor Lautner(テイラー・ロートナー)役でオーディションを受け、もうひとりの女優と共にこの役を勝ち取るが、実際には「Hannah Montana」の出演が決まり、そちらの仕事に専念するようになった。
2006: Breakthrough with Hannah Montana
11歳で、ディズニーチャンネルのTVシリーズ「Hannah Montana」の出演を開始。普段はふつうに暮らす女の子が、ポップアイドルとして活躍する秘密の2重生活を描いたこのシリーズで、サイラスの名は一躍有名になる。元々、サイラスは主人公の親友役でオーディションを受けるためデモテープを送るが、製作者側は、彼女を主役のChloe Stewart(コール・スチュワート)としてオーディションに来るよう要請した。コール役で新たにデモテープを作成し、ハリウッドでのオーディションに挑んだサイラスだったが、当初、役には小さすぎるし若すぎる、という評価を受けた。しかし、シリーズプロデューサーたちは、彼女の歌唱力と演技力、そしてなによりその精神的なタフさを重要視し、その後もオーディションに彼女を参加させた。翌年、サイラスは何度も続くオーディションの末に主役を見事獲得。当初Chole Stewartだった役名は、Miley Stewartに変更された。「Hannah Montana」シリーズは2006年3月26日に初回が放送され、ケーブルTVのシリーズの中で瞬く間に人気を獲得、これと同時にサイラスの名前も 一躍有名になり、ティーンアイドルの地位を確固たるものにした。タイム誌はこれを受けて「サイラスの爆発的な成功は、彼女自身の才能だけでなく、ディズニーチャンネルが自身の持つ巨大で、強大な情報発信力をいかに購買に繋げるか、という点をきちんと“勉強”して、効果的に使ったことが合わさって成立した」としている。
サイラスは、このシリーズに出演したことで、ウォルト・ディズニー・カンパニーの中で、TV、映画、物販、音楽の全てに携わった初めてのアーティストとなった。サイラスの成功の影には、彼女の母の決断が大きな影響を及ぼしている。彼女の芸能活動を行う上で、母はエージェントCunningham Escott Slevin Doherty(カンニングハム・エスコット・スリヴァン・ドハティ) の少年部門のディレクターであるMitchell Gossett(ミッチェル・ゴセット)と契約。彼が、「Hannah Montana」のオーディションのアレンジメントを行い、これが”スター誕生”のための大きなターニングポイントになった。
サイラスの後見人で、カントリーシンガーであるDolly Partonのアドバイスを受けで、サイラスの母は、サイラスの音楽キャリアのため Jason Morey of Morey(ジェイソン・モリーオブモリー) マネージメントグループと契約。 (Dolly Parton曰く、Jason Morey Management Group は”仕事に品位があり” 、 “それはこの業界ではなかなか得難い”)ハリウッドレポーターのFranke Swertlow(フランク・スウェルトロウ) はPartonのアドバイスは、母Tishにとって、「娘に関するアドバイスの中で最も有益なもの」であったと述べている。母は、その後、夫であるBilly Rayのビジネスマネージャーを娘のマネージャーとしてリクルート。娘の金銭面での管理を彼に任せるようになる。 母も、共同マネージャーという立場で、サイラスの仕事に関して様々な決定を下していった。勉学に関しては、TVシリーズ出演で学校に通えない彼女のため、Options for Youth Charter Schools(オプションズ・フォー・ユウス・チャータースクール)に入学させ、そこから家庭教師をセットに呼び寄せて対応していた。
「Hannah Montana」のテーマソング、 「The Best of Both Worlds(ザベストオブボースワールズ)」は2006年の3月28日に発表される。この楽曲はポップスターサイラスの肖像でもある “Hannah Montana”名義で発表され、ライブパフォーマンスも必ず、TVシリーズの中での役柄の衣装で行われた。 この曲は全米ボードチャート初登場92位を飾り、サイラスにとっては初めてのチャートインを果たした楽曲となる。このシングルは本国だけでなく、イギリス、アイルランドといった国でもヒットを飾り、ピーク時にはそれぞれ43位、17位となっている。 サイラスは、Hannah Montanaの役柄の恰好で、2006年9月から始まったThe Cheetah Girls(ザ・チーターガールズ)のライブThe Party’s Just Begun(ザ・パーティー・ジャスト・ビガン)ツアーでオープニングアクトを20日間担当。翌月の10月24日には、ウォルト・ディスニー・レコードが「Hannah Montana」のサウンドトラックを発売。サイラスのパフォーマンスが9曲ある内、8曲がHannah Montana名義で、残るひとつが父Billy Rayとのデュエット曲「I Learned from you(アイラーンドフロムユー)」で、父と共にMiley名義でのクレジットが付いている。(ちなみにサイラスが自身の名義で出した初めての楽曲はJames Baskett(ジェームズ・バスケット)のカバーの「Zip-a-Dee-Doo-Dah(ジッパディドゥーダー)」で、これは2006年4月に発売された「Disney Mania 4th Edition(ディズニーマニア4thエディション)」に収録されている。)Hannah Montanaサウンドトラックは、全米ビルボードのアルバムチャート第一位を獲得、発売一週目にして28万1千枚の売上を達成。続く翌週にも全米チャート1位の座を持続し、売上が全世界で3700万枚にまで及んだ。この間、サイラスは父とのコラボレーション楽曲である「Ready , Set , Don’t Go(レディー、セット、ドンゴー)」をリリース。自身名義では初となる、全米ビルボードチャートTop40入りを果たし、ピーク時には37位を獲得した。また、この楽曲はカントリー楽曲として、自身初めてのカントリーソングチャートTop10入りを果たし、ピーク時には第4位を獲得した。
2007–08: Meet Miley Cyrus and Breakout
2007年4月23日、「Hannah Montana」の 2ndシーズンの放映が開始され、この2ndシーズンは2008年の10月まで続いた。 シーズンの開始後すぐに、サイラスは4th アルバムの制作のため、ディズニーの子会社であるハリウッドレコードとの間で契約を結ぶ。こうして作られた2枚組のアルバム「Hannah Montana 2: Meet Miley Cyrus(ハンナ・モンタナ2:ミート・マイリー・サイラス)」は2007年の6月26日に発売された。2枚組のうち、1枚は2nd シーズンのサウンドトラックであり、もう1枚は彼女にとっては初となるスタジオ収録アルバムとなった。このアルバムは、発売開始第一週目にして32万6千枚の売上を達成。後にRIAA(全米レコード協会)からトリプル・プラチナレコード(75万枚売上達成)として認定を受けている。このアルバムからシングルカットされた「See You Again(スィーユーアゲイン)」は彼女名義では初となる、全米ビルボードチャートTop10入りを果たした。このシングルによってプラチナレコードの認定を獲得、自身ソロ名義でRIAAより認定を受けた初のシングルとなった。楽曲は、カナダやオーストラリアといった国でもヒットとなり、どちらの国でもピーク時にはTop10入りを果たしている。続く2枚目のシングル「Start All Over」は、2008年の初旬に発表された。これは発売前の予測を裏切って、商業的にはそれほど成功を果たせず、ピーク時でもチャート68位に終わった。しかし、リリース以降「Hannah Montana」アルバムの中の多くの楽曲が世界中のあらゆる音楽チャートの中で上位を占めていた。
2007年の秋には、この2枚組のアルバムプロモーションのため、The Best of Both Worlds(ザ・ベスト・オブ・ボースワールズ)ツアーが敢行される。Jonas Brothers(ジョナス・ブラザーズ), Aly & AJ(アリー&AJ), Everlife(エヴリライフ) をオープニングアクトに、サイラスは全米とカナダ各地を2007年10月から2008年1月にかけて巡業を行った。 チケットは発売するや否や、数分で全席が完売。26ドルから65ドルの定価価格にも関わらず、平均214ドル、最高で何と2500ドルといった高値で取引がされた。チケット販売会社のチケットマスターは、「これほどまでに人々がチケット獲得に躍起になっている公演は、ビートルズ、エルビス・プレスリー以来です」という公式なコメントを発表している。2008年1月には、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズがツアー映像を収めた、3D映画「Hannah Montana & Miley Cyrus: Best of Both Worlds Concert(ハンナ・モンタナ&マイリー・サイラス;ベスト・オブ・ボースワールズコンサート)」を当初一週間の予定で限定公開した。これは1週間の興行成績が、3100万ドルを達成。1劇場平均の売上4万2千ドルという、当初目論んでいた売上の2倍という結果を出した。この結果を受けて、ディズニーの幹部は公開の無期限延長を決定した。映画のサウンドトラックも、2008年の4月にウォルト・ディズニー&ハリウッドレコードから発売されている。
2008年2月、サイラスは友人のMandy Jiroux(マンディ・ジューロー)と共に YouTubeのアカウントをオープン。 「The Miley and Mandy Show(ザ・マイリー&ジューローショウ)」と名付けて作成されたビデオの投稿を始める。2008年5月、長い間女優の仕事のエージョントを行っていた Gossettが, Cunningham Escott Slevin Dohertyから United Talent Agency(ユナイテッド・タレント・エージェンシー)へ移籍。この移籍は、サイラスに対する「大手エージェントへ移籍することで、より手厚くサポートと、より広いキャリア形成の一助になれば」という意味もあってのことだったが、サイラス自身は 2009年には映画「The Last Song(ザラストソング)」 と 第4シリーズのHannah Montanaの出演交渉段階に入っていたUTAからも、Gosetteの元からも離れて、既に彼女の音楽関係の仕事のマネージを行っていたCreative Artists Agency(クリエイティヴ・アーティスト・エージェンシー)に加入している。
サイラスは16歳の誕生日を、若者のボランティアサービス機関Youth Service America(ユース・サーヴィス・アメリカ)主催チャリティーの一環として、ディズニーランド内でイベントを行った。
2008年4月、下着や水着の挑発的な写真が、Gメールアカウントをハッキングした10代のハッカーによってリークされる。サイラス自身はこれらの写真について、「不適切でくだらない写真だった」とコメント。「私は間違いも犯すし、決して完璧な人間ではありません。これらの写真が世に出てしまったことは決して、故意ではないけれど、これによって気分を害した人がいるならば、真摯に謝りたいと思う」と発表している。
2008年4月25日、エンターテイメント・トゥナイトは、雑誌ヴァニティ・フェアのため、写真家Annie Leibovitz(アニー・レイボビッツ)が、15歳のサイラスが上半身裸でポーズを取っている写真を撮影したと発表。 ニューヨークタイムス誌はのちに、この写真は裸でポーズを取っているような表現を用いているものの、実際には完全には裸にならずにシーツにくるまったものであることを確認した。
2008年5月、ロサンジェルスタイムス誌のインタビューで、X17フォトエージェンシーの経営者 Francois Navarre(フランソワ・ナヴァル)は、ヴァニティ・フェア誌で話題となった写真以降、彼女の写真の価値が跳ね上がっていることを指摘。「彼女の価値はどんどん上がって行っています。1枚、300ドルほどだった価格は、今や2000ドルです。」と述べた。これが15歳のFist-kiss写真ともなれば、その価値は恐らく、3万ドルから15万ドルとの見方を示した。Navarreは更に、今までサイラスが「優等生」としての振る舞いをしていたにも関わらず、徐々にひとりでの外出が増えたり、両親の言いつけを守るだけではなくなってきていることに対し、 「彼女は“優等生”の看板をいつ下すのか、といった人々から期待を一身に受けているように思えます。そういった振る舞いを徐々にし始めることは、ティーンエージャーにとっては自然なことです。けれど、彼女の場合、その移行期間があまりにも早い。彼女がひとりでの外出を許されてすぐに、こういった事柄が出てきた。これが人々からの注目を集める結果になっています」と付け加えている。
タイム誌が選ぶ、「世界で最も影響力のある100人」の中に、サイラスは2008年にランクイン。ビルボードは2009年、最も売れた女性アーティストランクの中で、第4位に彼女の名前を挙げている。この年、若干16歳にして、通算4枚のアルバムがチャート1位を達成した彼女は、最年少記録を更新した。
2008年6月22日、自身ソロ名義では2枚目となるスタジオ収録アルバム「Breakout(ブレイクアウト)」を発表。「去年一年間の間に、人生に起こった諸々のこと」をインスピレーションに、12曲収録された楽曲のうち、8曲の制作に携わった。サイラス自身はこれに関して、「楽曲制作は実は今まで、一番やりたくて仕方なかった。このアルバムが、きちんと曲をかけるんだっていうことの証明になってくれればいいと思う」と語っている。 「Breakout」はビルボードチャート初登場第一位を獲得、発売一週目37万1千枚の売上を果たした。初登場週 の売上が強いサイラスは、このアルバムでRIAAからプラチナレコードの認定を受け、実際の売上は累計100万枚を突破した。「Breakout」のリードシングル「7 Things」はビルボードチャートtop100入りを果たした2曲目の楽曲となった。 セカンドシングルの「Fly On the Wall(フライオンザウォール)」は全米チャートでは振るわず、ピーク時でも84位だったが、英国ではピークで16位となっている。サイラスはこの年4月にCMT Music Awards(CMTミュージックアウォード)で父と共に司会を行い、8月のTeen Choice Awards(ティーン・チョイス・アウォード)では単身での司会に抜擢された。 同年11月に公開されたCGアニメ映画「Bolt」の中ではPenny(ペニー)役で声優に挑戦。この映画の為に、自身が共同で書いたJohn Travolta (ジョン・トラボルタ)とのデュエット曲「I Thought I Lost You(アイソウトアイロスチュー)」は、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされている。
2009–10: The Time of Our Lives and Can’t Be Tamed
2009年「Hannah Montana: The Movie(ハンナ・モンタナ:ザ・ムービー)」の映画撮影とサウンドトラック制作を開始。サイラスのパフォーマンスが12曲盛り込まれた映画とサウンドトラックはどちらも商業的に大きく成功する。 映画の主題歌で、リードシングルでもある「The Climb(ザ・クライム)」は12か国のカントリーソングチャートでいずれもTop40入りを果たし、ティーンを超えたファン層の獲得に至った。
2009年9月、Stand Up Cancer(スタンダップキャンサー)という、癌撲滅キャンペーンの一環でチャリティーソングの「Just Stand Up(ジャストスタンダップ)」を発表。癌研究とトレーニングプログラムのサポートのためCity of Hope Benefit(シティーオブホープベネフィット)コンサートに参加する。またディズニーの、環境問題を扱うグループFriends for Change(フレンズフォーチェンジ)のため、ディズニーチャンネルの他のスターと共にチャリティーソング「Send It On(センディットン)」の収録に携わる。このすぐ後に、サイラスは3rd シーズンの「Hannah Montana」サウンドトラック制作を開始。このアルバムもまた初登場でビルボード1位、登場週の売上が13万7千枚、シングルカットされた「He Could Be the One(ヒークドビーザワン)」はTop10入りを果たした。2009年には自身初となる書籍、「Miles to Go(マイルストゥーゴー)」を発表。Hilary Liftin(ヒラリー・リフティン)との共著になるこの本は、16歳を振り返る内容になっている。
また、2009年には、Max Azria(マックス・アジラ) とWalmart(ウォルマート)とのコラボレーションで、洋服ブランド の立ち上げにも着手。これは、2009年8月31日に発売されたEPアルバムの「The Time of Our Lives(ザタイムオブアワーリブズ)」のプロモーションの一環でもあった。サイラス自身はこのアルバムを指して、「このアルバムは本当に過渡期を象徴するようなアルバムになっていると思う。(中略)次回作のアルバムで私がやりたいことがどういったことなのか、というのを紹介できると思うし、その時までにはそれを完成させられるように頑張りたい」と語っている。アルバムは登場第一週で、第3位を獲得。登場週の売上は6万2000枚だった。しかし、翌週にはチャート2位に上がると、売り上げも15万3000枚まで伸びた。EPアルバムのリードシングルである「Party in the U.S.A.(パーティーインザUSA」は初登場で第2位を記録し、この時点で彼女の発売シングル史上最高の順位となる。またこのアルバムのプロモーションのため、The Wonder World(ザ・ワンダーワールド)ツアーを敢行。全米、英国、アイルランドの会場を含み50回を超えるライブを行った。このツアーは、商業的な成功だけでなく、批評家からも高い評価を受け、興行成績は全会場合わせ6710万ドルを超えた。2009年には、英国ランカシャーのブラックプールで開催されたRoyal Variety Performance(ローヤル・バラエティーパフォーマンス)というイベントにおいてエリザベス2世とロイヤルメンバーの前でパフォーマンスを披露した。
2008年の後半から、成長したイメージを纏い始めたサイラスの、ティーンアイドルからの脱却を図って、彼女のエージェントは作家Nicholas Sparks(ニコラス・スパークス)に自身の著作をベースに脚本を書くように依頼。映画製作の交渉に入って行った。 これには、Hannah Montanaで獲得したティーンファンだけでなく、もう少し上の層に向けて彼女を売り出したいという事務所側の思惑があった。SparksはJeff Van Wie(ジェフ・ヴァン・ヴィー)と共同で脚本を作り上げ、映画「The Last Song(ザ・ラストソング)」プロジェクトが始まった。
実際の映画製作は、2009年の6月から8月にかけて行われ、サイラスは主役を演じた。2010年3月にこの映画が公開されるものの、総合的な評価としては、彼女の演技に対して辛口のものが大方を占めた。にもかかわらず、商業的には成功を収め、興行収入8800万ドルを達成した。興行収入を分析しているExhibitor Relations(エクシビター・リレーションズ)によれば、映画自体の内容はともかく、「大人の女性へのイメージ転換を果たしたMiley Cyrus」を見る、という点に注目が集まったとしている。 Hannah Montanaのファイナルである4th シリーズは、ディズニーチャンネルにて2010年6月に放映が開始され、2011年の1月に最終回を迎えている。
これらのプロジェクトの合間に、自身ソロ名義では3枚目のスタジオアルバム「Can’t Be Tamed(キャンビーテイムド 」の制作を開始。ハイチ地震チャリティーソングである「We Are the World:25 for Haiti(ウィーアーザワールド;25フォーハイチ)」や「Everybody Hurts(エブリバディハーツ)」にも参加している。 アルバム「Can’t Be Tamed」は2010年の6月にハリウッドレコードから発売され、これが同レーベルで制作された最後のアルバムとなった。初登場ビルボードチャート200で第3位を獲得するものの、アルバムセールスは10万6千枚で、初登場週の売上が強い彼女としては最低の、そして初めて初登場1位を取れなかったアルバムとなった。累計で34万3千万枚の売上を達成するも、RIAAのレコード認定は逃している。アルバム発売一か月前に売り出されたリードシングル「Can’t be Tamed 」はピーク時でビルボードチャート第8位。2枚目のシングル「Who Owns My Heart(フーオウンズマイハート)」は限られたヨーロッパの国でのみ発売された。
2011年2月、彼女はGypsy Heart(ジプシーハート)ツアーの興行を発表するも、北米での興行日程が1日もないことが話題となる。彼女自身は後に、これについて「今は、オーストラリアと南米、という私のことを待ってくれているお客さんの前でライブをやりたいと思っている」と説明している。ツアーは2011年4月に始まり7月にかけて、中米、フィリピン、オーストラリアのアリーナ、スタジアムを含む全21公演が開催された。
2011–12: Focus on acting
アルバム「Can’t Be Tamed」のリリース後、サイラスはしばらくの間歌手としての活動を一端休止し、女優活動の方に専念することを発表する。 「今まできちんとした演技レッスンを受けてこなかったのは、それが必要ないってことではないんです。もちろん、そうしたかったけれど…。だからここできちんとアクティングコーチを雇ってもう一度演技を一から勉強したいと思っています。」というコメントを残している。演技の勉強=大学に通う、という選択にならなかったのは、彼女自身「大学に通うのはいつでも出来る」けれど、「誰かから今求められている以上は、それをきちんと頑張りたいし、楽しみたいと思っている」ためと語っている。2011年3月にはサタデーナイトライブのホストに抜擢され、番組の中でいくつかのコントに参加した。2012年には、Demi Moore(デミ・ムーア)と映画「LOL」で共演。Lola(ローラ)役を演じる。映画は限定的に公開され、商業的にも批評的な面でも振るわなかった。この映画のあとにも、コメディ映画「So Undercover(ソーアンダーカバー)」に出演。大学内の社交クラブにて潜入調査を行うFBIの調査官という役どころを演じた。
2012年、サイラスはBob Dylan(ボブ・ディラン)の「You’re Gonna Make Me Lonesome When You Go(ユゴナメイクミーロンサムウェンユーゴー)」をカバー。これは、トリビュートアルバムである「Chimes of Freedom: Songs of Bob Dylan Honoring 50 Years of Amnesty International(キームスオブフリーダム;ソングスオブボブ・ディラン オナリング50イヤーズアムネスティ・インターナショナル)」に収録されている。2012年の初旬には、このほかにもさまざまな曲のカバーを行い、レコーディングを行った。これらのカバー曲は、2012年の夏から秋にかけて、You Tube上に投稿、公開されている。これらと並行して、映画「Family Bond」に出演。誘拐された母を救うため、それまで会ったことのなかったスパイである父を探し奮闘する役どころを演じた。CBSのシットコム(コメディドラマ)「Two and a Half Men(トゥーアンドアハーフメン)」シリーズの中でも、2話に渡って出演を果たし、主要キャラクターJack Harper(ジャック・ハーパー)の彼女Missi(ミッシー)役を演じた。彼女は声優として、映画「Hotel Transylvania(ホテル・トランシルバニア)」の出演も決まっていたが、歌手としてのカムバックが決まったため、この仕事からは降板した。
2012年、彼女がトレードマークのロングブロンドヘアを思い切って、ブロンドのピクシーカットにしたことも、多くのメディアから大注目を受けた。これに対し本人は、「とてもすがすがしい気分で、生まれ変わったように感じる」と発言している。
2013–present: Bangerz and other projects
2013年、サイラスはブリトニー・スピアーズの元マネージャーのLarry Rudolph(ラリー・ルドルフ)と契約。また、10月の新アルバム「Bangerz(バンガーズ)」リリースに向けて、RCAレコードとのアーティスト契約を果たした。 アルバム発売に先駆けて6月にリリースされたリードシングルの 「We Can’t Stop(ウィーキャントストップ)」は 、ピーク時全米ビルボードチャート2位にランクイン。ニュージーランドとイギリスで、自身初となるチャート1位を獲得した。同曲のPVは動画共有サービスVevoを通して発信され、24時間以内に視聴回数が1千万回を突破。37日間で、のべ1億万回以上の視聴回数を達成し、これはVevo史上最速の記録を更新した。
この時期、アルバム制作と並行して、さまざまなアーティストとのコラボレーションに挑戦。Rock Mafia(ロックマフィア)の「Morning Sun(モーニングサン)」にはゲストボーカルとして参加、Borgore(ボーゴア)の「Decisions(ディスィジョン)」では、バックコーラスを担当した。この曲のPVでは、サイラスとヘムズワースが出演を果たしている。Snoop Lion(スヌープ・ライオン)の2013年4月に発売された1stアルバム に収録された「Ashtrays and Heartbreaks(アッシュトレイズ&ハートブレイクス)」、will.i.am(ウィルアイアム) のアルバム「#willpower(ウィルパワー)」プロモーションのためシングルカットされた楽曲「Fall Down(フォールダウン)」でもフィーチャーされている。「Fall Down」はビルボード初登場58位にランクインし、「Can’t Be Tamed」以降初のTop100入りシングルとなった。同曲は、カナダ国内でTop20入り、UKチャートでもTop40入りを果たす。5月には、Mike Will Made It(マイク・ウィル・マイド・イット)のシングル「23」に、Wiz Khalifa(ウィズ・カリファ)、Juicy J(ジューシー・J)といったアーティストと共に参加していることが明らかとなった。また、Lil Twist(リル・トウィスト)のシングル「Twerk(トゥワーク)」の中では、Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)と共に、ゲストボーカルとして参加している。こうしたコラボレーションのほか、この時期数々のヒップホップアーティストとの共演も精力的にこなした。
「Wrecking Ball」はアルバムからの2曲目のシングル楽曲として、9月にリリースされ、PVの配信が同時に始まった。Vevoでの配信は24時間で1930万回を達成し、これも新記録となった。「Wrecking Ball」は見事ビルボードチャートでも1位を獲得し、彼女としては初のビルボードNo1楽曲となった。 10月にはMTVがドキュメンタリーの「Miley:The Movement(マイリー;ザ・ムーブメント)」を放送。アルバム「Bangerz」の収録風景や、MTVミュージックアウォード出演の舞台裏などに迫った。この3日後には、サイラスは2度目のサタデーナイトライブの出演を果たす。批評家からは、彼女の演技に関して概ね好意的な評価を得、全体的な出来としては「良かったけど、最高!というわけではない」というコメントが大半を占めた。(中には、全体的には精彩を欠く仕上がりだった、というコメントを残す批評も。)
11月にはFuture(フューチャー)のシングル「Real and Truth(リアル&トルゥース)」にMr. Hudson(ミスター・ハドソン)と共に参加。リリース後5日目には、PVの配信もスタートした。12月には、2014年にアコースティックアルバムの発売の予定があることを発表。2014年の1月、MTVアンプラグドで、ゲストにマドンナを迎え、アルバム「Bangertz」の楽曲を披露した。 これは、過去10年間で一番の視聴率を獲得し、のべ170万人の視聴があった。また、Natalie Westling(ナタリー・ウェストリング)、 Esmerelda Seay Reynolds(エスメラルダ・シー・レイノルズ)と共に、Marc Jacobs(マーク・ジェイコブス)の春コレクションのキャンペーンで、コラボレーションが実現した。
4月にはマドンナが、キャンペーンArt for Freedom(アート・フォー・フリーダム)の月替わりのゲストキュレーターとしてサイラスを指名。このキャンペーンは言論の自由を世界中に広めていくか、偏見や差別にどう対抗するか、という問題をアートで表現し、それをWeb上で公開して世界にシェアする、という内容。サイラスは毎日日替わりで、アート投稿を選び、キャンペーンのホームページで公開した。この月、タイム誌が再びサイラスを「世界で最も影響のある100人」に選出。紙面では、後見人であるDolly Partonがコメントを担当し、「…彼女は曲を書きます。そして歌うことができます。彼女はとてもスマートです。そんなにも果断である必要はないと思ってしまうほどです。でも、私は彼女の意思を尊重したい。私は私の道を歩みました。彼女は彼女の道を行くべきなのです」と語っている。
2014年6月には、アルバム「Bangerz」に収録されなかった「Pretty Girls(Fun)(プリティーガールズ(ファン)」と「Last Goodbye(ラスト・グッバイ)」がインターネット上で公開された。
2014年7月1日、フォーブス誌が「最もパワフルな著名人リスト100」を発表。サイラスは17位にランクインし、これはMariah Carey(マライア・キャリー)、Taylor Swift(テイラー・スウィフト)といったシンガーの上を行く結果になった。誌面では、彼女の推定資産3600万ドル、という点にはじまり、「サイラスが4年間の沈黙を破り、リスト100にカムバック。前回は、まだHannah Montanaで獲得した資産運用を行っていたサイラスだが、すっかり成長したポップシンガーはいつでも人々の注目の的にある」という評を付けている。
オフィシャルサイト(英語版):http://www.mileycyrus.com/
■ALBUM■
Meet Miley Cyrus(2007)
Break Out(2008)
Can’t Be Tamed(2010)
Bangerz(2013)
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