RAKIM

Rakim(ラキム)

本名: William Michael Griffin Jr.(ウィリアム・マイケル・グリフィン・ジュニア)

生年月日:1968年1月28日(46歳)

William Michael Griffin Jr.は芸名Rakimの名で知られている、アメリカ人ラッパー。ゴールデンエイジ・ヒップホップのデュオEric B. & Rakim (エリックB・アンド・ラキーム)の一人である。この時代に最も影響を及ぼし、最も技術のあるMCの一人として考えられている。

Eric B. & Rakimのクラシック・アルバム『Paid in Full(ペイド・イン・フル)』は2006年のMTVでグレイテスト・ヒップホップアルバムと名付けられた。この一方で、ラキム自身は4位でMTVのグレイテストMCのリストにランクインした。Allmusic(オールミュージック:レビューやバイオグラフィーを含む音楽提供サイト)のSteve Huey(スティーブ・ヒューイ)は「Rakimは偉大なMC達の中で、ほとんど普遍的に認められている。ヒップホップ・コミュニティの中でも－事によると、最も偉大なのかもしれない－」と述べた。About.com(アバウト・ドットコム)の編集者は’私たちの時代のMC・トップ50 (1987–2007)’に彼をナンバーワンでランク付けした。RakimはラップデュオEric B. & RakimのMCとして自身のキャリアを開始し、ロック・アンド・ロール・ホール・オブ・フェイム(Rock and Roll Hall of Fame:ロックの殿堂と呼ばれるアメリカの博物館)でのイントロダクションで2011年にノミネートされた。The Source (ザ・ソース)は’作詞者トップ50’に彼をランク付けした。

Early life

Rakimはアメリカ人R&Bシンガーで俳優のRuth Brown(ルース・ブラウン)の甥。ニューヨークのワイアンダンチで育ち、18歳でニューヨーク・ヒップホップのシーンを巻き起こした。Eric B.は”Eric B. Is President(エリックビーイズプレジデント)”を録音するために、Marley Marl(マーリー・マール)の家にRakim を連れて行った。

Rakimは当時Kid Wizard(キッド・ウィザード)として知られており、1986年当初はネイション・オブ・イスラムとして紹介され、後にネイション・オブ・ゴッズ・アンド・アース(5パーセント・ネイションとしても知られている)に参加し、名前をRakim Allah(ラキム・アラー)とした。

Eric B. & Rakim

Eric B. & Rakimは初めて出会った1985年から1992年に分かれるまで4枚のスタジオ・アルバムをリリースした。このデュオはNPRのジャーナリストTom Terrell(トム・テレル)により”現代ポップミュージックにおける最も影響力のあるDJとMCのコンボ”と表現され、About.comの編集者は偉大なヒップホップデュオ10のリストに3位で彼らをランク付した。

2011年Rock and Roll Hall of Fame (ロックの殿堂)へのイントロダクションにノミネートされたが、最終的には選ばれなかった。

1986–87: Beginnings and classic debut

Eric B.の調査”ニューヨークのトップMC”への返答の後、Rakimの友達とルームメイトMarley Marlはホームスタジオ使用を許可した。録音した最初のトラック—”Eric B. Is President(エリックB・イズ・プレジデント)”—は1986年に独立系Zakia Records (ザキア・レコード)でのシングルとしてリリースされた。Def Jam Recordings(デフ・ジャム・レコーディングス)の創設者Russell Simmons(ラッセル・シモンズ)がこのシングルを聴いた後、このデュオはIsland Records(アイランド・レコード) と契約し、マンハッタンのパワー・プレイ・スタジオで1987年の頭に録音を開始した。

1987年7月7日に、彼らのデビューアルバム『Paid in Full(ペイド・イン・フル)』をアイランドの子会社レーベル4th & B’way Records(フォース・アンド・ビーウェイレコード)からリリースした。このアルバムはBillboard 200チャートで58位を達成し、5つのシングルをリリースした: “Eric B. Is President”、”I Ain’t No Joke(アイ・エイント・ノー・ジョーク)”、”I Know You Got Soul(アイ・ノウ・ユー・ゴット・ソウル)”、”Move the Crowd(ムーブ・ザ・クラウド)”、”Paid in Full”

1988–89: Sophomore peak

Eric B. & Rakimのセカンドアルバム『Follow the Leader(フォロー・ザ・リーダー)』はMCA の子会社レーベルUni Records (ユニ・レコード)から1988年7月25日にリリースされた。デビューアルバム『Paid in Full (1987)』のフォローアップとして、このアルバムは、Rakimの兄弟であるStevie Blass Griffin (スティービー・グラス・グリフィン)の貢献と共に、ニューヨークのパワー・プレイ・スタジオで録音、プロデュース、アレンジ、構成を２人によって行われた。

このシングルは並みの成功を収め、このアルバムはデビューアルバムよりも音楽チャートでより良くパフォーマンスされ、U.S. Billboardポップアルバム・チャートでは22位を達成した。アメリカでの500,000枚超えの積荷量のためアメリカレコード協会によって、ゴールドを認定された。ヒップホップの”ゴールデン・エイジ”の間、『Follow the Leader(フォロー・ザ・リーダー)』は批評家達に良く受け取られ、最も画期的で影響力のあるヒップホップアルバムの1つとして音楽ライター達に認められていた。アメリカ人の作家William Jelani Cobb(ウィリアム・イェラーニ・コブ)はこのアルバムの重要性を書いた「『Paid in Full』の後に続いて、Eric B. & Rakimは1988年のアルバム『Follow the Leader』のフル・クリップを届けた。James Brown(ジェームズ・ブラウン)は当初リリースを否定して見本を見せたが、より広いスペクトルの音をフィーチャリングした『Follow the Leader』は Rakim の最も詩的な激しさを見せ、発されている巧みさと素敵さは’Microphone Fiend(マイクロフォン・フィーンド)’、’Lyrics of Fury(リリックス・オブ・フューリー)’、そしてほとんど確信犯的な’No Competition(ノー・コンペティション)’のような曲を脅かした。このリリースは2人と、2人が直面した1990年代の長期的側面の序章に尊い印を刻んだ。

1990–94: Final albums and dissolution

『Let the Rhythm Hit ’Em(レット・ザ・リズム・ヒット・エム)』は画期的なEric B. & Rakimの3枚目のアルバムで、1990年にリリースされた。Rakimは、さらに深く、もっと攻撃的なトーンの声と、より熟成しシリアスな出来事を取り扱い、このグループのサウンドを更に発展させた。音楽的には、このプロダクションはタイトルトラック”Let the Rhythm Hit ’Em”がハードで鋭い攻撃性があるため、”In the Ghetto(イン・ザ・ゲットー)”のような、より滑らでソウルフルな曲に及んでいる。以前のアルバム(“Paid in Full”と”Follow the Leader”)ほど、これらのシングルは支えにならなかったが、多くの人達から最も理路整然としたアルバムと考えられた。このアルバムはThe Sourceから評価され”five-mic(ファイブ・マイク)”受け取った数少ないアルバムの1つである。 1998年、このアルバムはThe Source の100ベスト・ラップ・アルバムに選ばれた。このバック・カバーではRakimの父William(ウィリアム)と、1989年7月に殺人事件前まで共にこのアルバムの曲を制作したプロデューサーのPaul C(ポール・シー)に捧げられた曲が特集された。子分であるLarge Professor(ラージ・プロフェッサー)は彼の制作を終えた。このアルバムの覚え書きにはクレディットが受領されなかった。

『Don’t Sweat the Technique(ドント・スウェット・ザ・テクニック)』はEric B. and Rakimの4枚目のアルバム兼、最後のアルバムで1992年にリリースされた。このタイトルトラックはマイナーラジオでヒットした。”Casualties of War(カジュアルティズ・オブ・ウォー)”もまたRakimの最も政治的な歌詞を含んだシングルとしてリリースされた。当初”Know the Ledge(ノウ・ザ・レッジ)”は曲名”Juice (Know the Ledge)”として、映画「Juice(ジュース)」で使用された。しかしEric B.はRakimが自分を見捨てるかもしれないとの恐れから、このレーベルのリリース契約を拒否した。この出来事は2人のミュージシャンと以前のレーベルMCA Recordsを巻き込み、長く厄介な裁判へと導いた。この法律的論争は最終的にこのデュオを別れへと導いた。

Solo career

1995–99: Debut

1995から1996を通して、Rakimはいくつかのデモと楽曲を録音し、最終的にDJ Premier(プレミア)とPete Rock(ピート・ロック)との共同制作を含み、1997年に『The 18th Letter(ザ・エイティーンス・レター)』のレコーディングに戻った;これは2つのバージョンがリリースされた。1つは Eric B. & Rakim の偉大なヒットディスク”The Book of Life(ザ・ブック・オブ・ライフ)”を含んでいた。このアルバムの評価は肯定的で、ゴールド認定された。

1999年Rakimは『The Master』をリリースし、同じく、とても良いレビューを受け取った。

2000–07: Aftermath Entertainment and departure

Rakimはアルバム暫定タイトル『Oh, My God(オー、マイ・ゴッド)』のためにDr. Dre(ドクター・ドレー)のアフターマンス・エンターテイメント・レコードと2002年にレーベル契約をした。このアルバムはアーティスティックな方向性と人々による様々なチャレンジが行われ、何度か延期された。アルバム制作中に、Rakimは様々なアフターマンス・プロジェクトで、Truth Hurts(トゥルース・ハーツ)のヒットシングル”Addictive(アディクティブ)”、Dr. DreプロデュースによるJay-Z(ジェイ・ジー)の”The Watcher Part 2(ザ・ウォッチャー・パート・ツー)”、Eminem(エミネム)の8 Mile(エイト・マイル)のサウンドトラック含み、ゲスト出演した。

しかしRakimは2003年にこのレーベルを離れ、『Oh, My God』は無期限の棚上げとなった。最終的にRakimはアフターマンス・レコードを離れ、このレーベルから離れた理由をDr. Dre との創作性の違いからだと述べた。誰かを殺すことについてDr. DreがRakimに書かせたがっていたと隠喩的な例を用いた。一方で、Rakimは誰かの復活について書きたがっていた。

Rakimはその後ドリームワークスと契約をむすんだが、このレーベルは短期間で契約を打ち切った。

2007–09: The Seventh Seal

Rakimは音楽活動をのんびり行うためにコネティカット州の不動産から退却した。1999年以来アルバムのリリースはなかったが、不定期ライブの利益となるツアーを疎んじた。RakimはDr. Dreと共に制作した曲を保持することができ、2006年新しいスタジオアルバム『The Seventh Seal(ザ・セブン・シール)』をリリースされるだろうと発表した。このアルバムは2009年に延期された;代わりにライブアルバム『The Archive(ザ・アーカイブ)』をフォローアップした:2008年のライブ「Lost & Found(ロスト・アンド・ファウンド)」。2007年のBillboardでのインタビューでは、『The Seventh Seal』のタイトルについて聞かれた時にRakimはこのように答えた

「ナンバー7はたくさんの重要性を持っている。Supreme alphabet(シュープリーム・アルファベット: ネイション・オブ・ゴッズ・アンド・アースの120の質問を訳す為にあてがわれた古代ローマのアルファベット)の七番目文字はGだ—これはGod(神)の略だ。7つの大陸があり、7つの海がある。『The Seventh Seal』では、このことと、また聖書での啓示をいくつか取り扱ったんだ。これを世界の終りだと言う人もいるけど、俺にとっては古くさいことの終りと、新しいことの始まりなんだ。俺が名付けたこのアルバムは、ヒップホップの中に隠喩を使っている。ヒップホップの古い階級を殺して、新しいことを始めたいと望んでるんだ。」

2009年のBillboardの他のインタビューでは、こう彼は述べた

「The sealsは聖書からの－隠喩と黙示録の到来－なんだ。でもイスラム教も、仏教も、キリスト教も－全て同じ出来事がある。ユダのライオンは１人、１人が７つの海を犯し、それぞれに知識を与え、災害を負わせ、終末を知らせる７つのトランペットで終わる。黙示録の後、神は王国を再建するために、屍灰から立ち上がり、彼らと一緒に過去から最も偉大な要素だけを持って行った。あなたがヒップホップを見る時、俺はこうしたい;火を吐き、俺たちの王国を作るために屍灰からベストの状態に持っていきたいんだ;全ての地域のスタイル、意識ある歌詞、曲、アンダーグラウンド、メインストリーム、お互いを待遇する道を認めるために。ゴミをなくして、俺たちのシーンを再建するんだ。俺は全ての文化と宗教について書かれてあることを、どうやって現代に適応して訳すか、いつも俺のレコードの中の意識と精神性に入って試みている。

数回の延期の後、フォンタナとユニバーサル・ミュージック・グループを通して、Rakim自身のRa Records(ラ・レコード)、TVM、SMCレコーディングから、 Recordings 2009年11月17日に『The Seventh Seal』はリリースされた。以前のリリースから10年後の復帰アルバムとして考えられ、このアルバムは2つのシングルを特集した: “Holy Are You(ホーリー・アー・ユー)”は2009年7月14日にリリースされ、”Walk These Streets(ウォーク・ディーズ・ストリート)”は2009年10月7日にリリースされた。Nottz(ノッツ)、 J. Wells(ジェイ・ウェルズ)、Needlz(ニードルズ)、Jake One(ジェイク・ワン)、Nick Wiz(ニック・ウィズ)を含む、何人かの名高いヒップホップアーティスト達のプロダクションを特集した。SoundScan(サウンド・スキャン)によると、このアルバムは2009年11月22日、アメリカで12,000枚を売り上げた。このリリースで、『The Seventh Seal』は大体において混合、または平均のレビューを、多くの音楽批評家達から受けた; Metacritic (メタクリティック)では総計100点中59点を獲得した。

2011–present: New album

2011年ニューヨークのブルーノート・ジャズクラブで『Paid in Full』の全てを、名誉あるアルバム25周年記念としてパフォーマンスした。The Roots伴奏をした。

2012年RakimとEric B.は1987年のアルバム『Paid in Full』の 25周年記念エディションをリリースすると発表し、同年末にはEric B. & Rakimによる新しいトラックが含まれていると述べた; Rakimは2012年の末に新しいソロアルバムをリリースすると発表した。6月にフィラデルフィアで恒例のルーツ・ピクニックにてパフォーマンスを行った。デトロイト・フリー・プレスのインタビューで、Pharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)とスタジオに入り2013年にリリース予定の新しいアルバム制作をしていると発表し、同年末にファーストシングルがリリースされるだろうと述べた。

2013年9月24日、コラボレーション・シングル”Don’t Call Me(ドント・コール・ミー)”をDMX(ディー・エム・エックス)と共にリリースした。

2014年RakimはアメリカのロックバンドLinkin Park(リンキン・パーク)と共に”Guilty All the Same(ギルティ・オール・ザ・セイム)”と名付けられたコラボレーション・シングルをフィーチャリングした。この曲はワーナーブラザーズ・レコードの元、6枚目のアルバム『The Hunting Party(ザ・ハンティング・パーティ)』のファーストシングルとして、2014年3月6日にリリースされた。この曲のメインへのブリッジ(経過部)でラップボーカルを貢献した;しかし、この曲のラジオ編集ではフィーチャリングしなかった。この曲はデジタルダウンロードとして、2014年3月7日に正式にリリースされた。

Artistry

Rakimのリズミングは1980年代初期のヒップホップのシンプルなリズムパターンから逸脱した。彼のフリースタイルは、バーラインを無視し、Thelonious Monk(セロニアス・モンク)に匹敵した。ニューヨーク・タイムズのBen Ratliff(ベン・ラトリフ)は「怒鳴り散らさないラップはスクールヤード・リズムの立ちすくんでいたリズムの形を超えて発展した。」多くのラッパー達が即興でテクニックを開発する中、Rakimは例えば、内部リズムとタ音節リズムを使ったパイオニアとして、作家独特のスタイルの利点を実演してみせた最初の１人だった。力強さでボーカルを行うLL Cool J(エルエル・クール・ジェイ)、KRS-One(ケアレス・ワン)、Run-D.M.C.(ラン・ディー・エム・シー)のような一昔前のラッパーを好まず、リラックスさとストイックなエネルギーを使った。MTVによると「我々は以前Run、DMC、Chuck D(チャック・ディー)そしてKRS-OneのようなMCで、マイクにとびつき、エネルギーと不遜を叫んでいた。しかしRakimはマイクマニアへ整然としたアプローチを取った。スローなフローで、どのラインもとがってなく、魅惑的だ。」Rakimのリラックスした話しぶりはジャズの影響に起因している;彼はサックスを演奏し、John Coltrane(ジョン・コルトレーン)のファンだった。

Rakimの問題はしばしば自身のラップスキルと、他のラッパー以上に詩的に優れていたことがカバーした。Allmusicの編集者Steve Huey(スティーブ・ヒューイ)は「彼の歌詞の大多数が自身のスキルと、彼のイスラム信仰に関係している。」とコメントした。彼はまたRakimについて彼の音楽について「複雑な内部的リズム、洗練されたイメージ、快適で滑らかなフロー、予測できない変則ビート」と書き記した。Pitchfork Media(ピッチフォーク・メディア)のライターJess Harvell(ジェス・ハーヴェル)は彼のラップを「権威であり、磨かれた、落ち着いたリズムのセンスを持っている」と表現した。

Musical style

『Paid in Full(ペイド・イン・フル)』はザラザラして、重く、ダークなビートを含んでおり、ヒップホップレコードの中での、ヘビーサンプリングの始まりだと記された。このアルバムの10曲はインストゥルメンタルがある。ディスクジョッキーとして、Eric B.はライブのアートを、ターンできるミキシングに復権させた。彼の魂に満ちたサンプリングは未来のヒップホップ製作に影響力を与えた。音楽批評家Robert Christgau(ロバート・クリスガウ)はEric B.のサンプル・パーカッションとスクラッチは「ミックスの中で深くホーン、またホイッスルの感触を」を取り入れたと記した。

Legacy and influence

『Paid in Full(ペイド・イン・フル)』はヒップホップ史の中でゴールデンエイジ・ヒップホップとして知られる期間にリリースされた。Alex Ogg(アレックス・オッグ)は自身の本「The Men Behind Def Jam(ザ・メン・ビハインド・デフ・ジャム)」にて、この作品はこのデュオの最高傑作だとみなした。Rakimのラップは将来のラッパー達に青写真を用意し、革新的な詩のテクニックで確固たる東海岸ヒップホップの評判を促進した。William Jelani Cobb(ウィリアム・ジェラニ・コブ)は自身の本「To the Break of Dawn(トゥー・ザ・ブレイク・オブ・ドーン)」で、彼のラップは先行したオールドスクール・ヒップホップ時代の「外側に足を踏み入れた」と述べた。そして新たなラッパー達のボキャブラリーと詩的な手法を促進し、これは「ラキムが広めたジャンルを真似たものはどこにもない」ということだった。ニューヨークタイムズのDimitri Ehrlich(ディミトリ・エールリッヒ)はこのアルバムを「アーティスティックで商業的マークだ」と表現し、「ひとつの音楽ジャンルを提供」を促進し「ソフトに話すラップスタイルを広めた、静かな音楽的革命」に導いたと記した。AllmusicのSteve Huey(スティーブ・ヒューイ)は『Paid in Full』はヒップホップの最も影響力あるアルバムのひとつで、このジャンルにおいて関心を集めた「ベーシックな音楽の土台」として「欠くことのできない傾聴」だと宣言した。MTVは「最も偉大なヒップホップアルバム」の1位にランク付けし、「社会的にも詩的にも」ヒップホップの標準を上げたと述べ、「魅惑的で、深く、革新的であり、瞬発力ある影響力」だと表現した。このアルバムはBrian Coleman(ブライアン・コールマン)の本「Check the Technique(チェック・ザ・テクニック)」でトラックごとに分析された。

ローリングストーン・マガジンでは「500の偉大なアルバム」で227位にリスト入りし「氷を焼き、のんびりした、ダイヤモンドの形: Rakimはこれまでの最高なラッパー達が走るレースの前走者である。そしてこれが、このアルバムがなぜ偉大なのかという根拠だ。」同じくブレンダー・マガジンは「死ぬ前に聞くべき500のCD」のアルバムとした。タイム誌は「All-TIME 100(オール・タイム)」にて1980年代の18枚のアルバムの1つとしてリスト化した;編集者Alan Light(アラン・ライト)はこのレコードがヒップホップの「音、流れ、可能性」を変えることを認め、もしRakimが「最も偉大なMC」だったら、多くの立証として、このアルバムが証拠になるだろうと述べた。

ピッチフォーク・メディアのJess Harvell(ジェス・ハーベル)は「純粋なスキルの終りないディスプレイ(表現)」とRakimを褒め、「のんびりとしてファンキー」とこのアルバムを表現したが、「時間ふさぎの小曲が多すぎて、クラシックのフリーパスを得ることができていない」とも思われていた。ピッチフォーク・メディアは「1980年代のトップ100アルバム」で『Paid in Full』を 52位とした;編集者Sam Chennault(サム・シェンノート)は１つのMC世代に影響を与え、「ヒップホップの作詞者になるためのものと定義された」。Rakimによって開発された独特のラップスタイルを使い、彼のスタイルにインスピレーションを受けたと考えられるGZA(ジザ)、Ghostface Killah(ゴーストフェイス・キラ)、Raekwon(レイクウォン) (the Wu-Tang Clanウータンクラン)、Tupac(トゥーパック)、Nas(ナズ)、Kool G. Rap(クール・ジー・ラップ)、Jay-Z(ジェイ・ジー)、The Notorious B.I.G(ザ・ノートリアス・ビー・アイ・ジー)、Eminem(エミネム)を含め、その他大勢のアーティスト達がいる。1995年の7月11日にアメリカレコード協会(RIAA)はこのアルバムをプラチナ認定した。1997年12月には、このアルバムは100万枚以上売り上げた。

■ALBUM■

The 18th Letter(1997)
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