ヒップ・ホップ界のスター、Tupac Shakur(トゥパック・シャクール)が死の少し前、性的暴行罪で服役していた頃、獄中から個人に宛てて送った直筆の手紙が22万5千ドル(2700万円)で売りに出されることになった。
悪名高きこのラッパーは、自身が狙われた銃撃事件を生き延び、その後、性的暴行罪でニューヨークにあるクリントン更正施設で収容された。服役中の1995年に獄中インタビューを受け、そこで彼は自らの生き方を改め、「俺にとってのサグ・ライフはもう存在しない。それがリアルだというなら、他の誰かにレペゼンさせればいい、俺はもううんざりなんだ。」と強い調子で語った。
服役中はアルコールや薬物依存の治療を受け、伝えられたところによるとニッコロ・マキャヴェリや孫武の本を夢中になって読んでいたという。さらには自身のストリート哲学をデス・ロウ・レコードのスタッフに口頭で伝え作成していたということだ。
「これが今現在の俺の心境だ。長いけれど本当の気持ちだ。君の判断で使ってくれていい」と始まる、とりとめのない長い手紙は、デス・ロウ・レコードのスタッフであり、発行紙「the Real Estate」ならびに雑誌「Death Row Uncut」の編集者でもあったNina Bhadreshwar (ニーナ・バドレシュワル)に宛てたものであった。
「俺はたとえタイム誌やローリングストーン誌であったとしても、この手紙を掲載することは許可しない。だからこのまま掲載してくれ。君を信用している。」
▼手紙日本語訳▼
ニーナへ
手紙をもらってからずいぶん返事をせずにいてすまなかった、手紙を楽しんで読んだよ。自分の心、精神を建て直すのに助けになったよ。
これが今現在の俺の心境だ。長いけれど本当の気持ちだ。君の判断で使ってくれていい。
俺はたとえタイム誌やローリングストーン誌であったとしても、この手紙を掲載することは許可しない。だからこのまま掲載してくれ。君を信用している。君の気持ちはよく分かっている、だからどのようにするのが良いか君が決めてくれ。本当にありがとう。
永遠の愛を
トゥパック・シャクール
自身のモットーであった「サグ・ライフ」の文字を腹部に彫っているラッパーは、服役中のアルコールやドラッグから切り離された生活を送った経験を「目の前に蒔かれた種は新たなスタートだ・・・俺にネクスト・レベルに続く道を示してくれた。」と記している。
「サグ・ライフでネクスト・レベルを生き抜けるなんて誰も思わないだろう。死にとりつかれるだけだ。
「真のボスは次へいつ進むべきが知っている。ゲームをプレイするんだ、ゲームに遊ばれてはいけない。」と自身の新しいチャプターの始まりを宣言した。
「そこらへんのやつらは女をもて遊ぶ・・・ボスは人生を遊ぶのさ。ボスは思想家であり、リーダーであり、起業家であり、金も儲ける、闘士であり、師でもある。そして何よりも男であるべきなんだ!俺は仲間の皆に俺達にもネクスト・レベルがあるってことを知ってもらいたいのさ。」
Shakurは釈放後1年も経たないうちの1996年に殺害された。
この手紙はインターネット・サイトMoment in Time上で売りに出されているとBhadreshwar (バドレシュワル)は答えた。
「彼は、アメリカの黒人青年が体験する通過儀礼についての自身の考えを5枚のエッセイにし、それも同封していました。これが私達の文通の始まりだったのです。」
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