2PAC

Tupac Shakur（2パックシャクール）

本名：Tupac Amaru Shakur（親戚によるとLesane Parish Crooksが本名という）

生年月日：1971年9月13日（1996年9月13日没）

別名、Makaveli。ニューヨーク市のマンハッタン、東ハーレム地区で産まれる。アメリカ人ラッパーであり、俳優でもある。世界中で7500万枚以上を売り上げていて、長く一番売れているミュージックアーティストの1人になった。また、ローリングストーンなどの多くの雑誌で史上もっとも偉大な音楽家の1人として記載されたり、ランク付けされ、もっとも影響力のあるラッパーとして君臨した。2枚組アルバム『All Eyez on Me（オール・アイズ・オン・ミー）』はヒップホップアルバムの中で、『Greatest Hits（グレイテスト・ヒッツ）』もアメリカで最も売れた1枚になった。

ロックコンサートスタッフ、バックダンサー、オルタナティブ・ヒップホップグループのDigital Underground（デジタル・アンダーグラウンド）のバックダンサー等を経て、最終的にソロアーティストとして転身した。彼の音楽のテーマはスラム街のバイオレンス、困窮、人種差別、その他の社会問題を中心として展開している。両親や親戚は皆、ブラックパンサー党の会員であったため、それが彼の歌に影響を及ぼしていた。後半からはEast Coast–West Coast hip hop rivalryと呼ばれる団体にボーカルとして参加、それはラッパー、プロデューサー、レーベルスタッフをも巻き込んだ対立となっていった。とりわけ、Notorious B.I.G（ノートリアス・B.I.G / ビギー）とレコードレーベル社のBad Boyとの対立が著しかった。

1996年9月7日、ネバダ州ラスベガスのFlamingoロードとKovalレーンの交差地点で、走行中の車から何度も発砲された。南ネバダ大学メディカルセンターに運ばれたが、その6日後に亡くなった。

Early life

彼の名、「Túpac Amaru（トゥパック・アマル）」は、18世紀、スペインの規範に反対し、原住民を率いた後、処刑された南アメリカの革命家の名前から因んで、付けられた。

母親Afeni Shakurと父親Billy Garlandは、1960年後半から1970年初頭、ニューヨークにあるブラックパンサー党の活動家であった。Afeniはアメリカ合衆国政府とニューヨークの歴史的建造物に対する陰謀等150以上の罪を無罪にした後、2 Pacが産まれたのだ。幼い頃から、黒人解放軍に関わった人物や刑務所にいた犯罪者達と共に暮らしていた。12歳の頃に127th Street Repertory Ensemble（ハーレムにベースを置く劇団）に入り、A Raisin in the Sun（ア・レーズン・イン・ザ・サン）でTravis Younger役で、アポロシアターで演じた。1986年、家族と共にメリーランド州ボルチモアへ引っ越す。Paul Laurence Dunbar校の2年目を終了した後、彼はボルチモアアートスクールへ転入し、そこで演技、詩、ジャズや舞踊劇を学んだ。シェイクスピア演劇や、くるみ割り人形ではねずみの王様の役を演じた。友人の1人でDana “Mouse” Smithと同伴しビートボックスをしたのがきっかけで、多くのラップ競技に勝ち残り、学校では一番のラッパー見なされるようになった。ユーモアセンスや優れたラップスキル、仲間と上手くやっていく能力から、学校で一番の人気者だった。当時 Jada Pinkett（後のジェイダ・ピンケット＝スミス）と親友になり、それは彼の死まで続いた。ドキュメンタリー映画「Tupac: Resurrection（トゥパック：レザレクション）」で彼は言っている。「Jadaは僕の心。彼女は一生涯、僕の友達でい続けるよ。」一方のJadaも彼のことを「親友の1人、友情を超えた弟みたいにね。」と述べている。1988年6月、家族と共にカリフォルニアのマリンシティへ移り、サンフランシスコから北に5マイル（8km）に位置する住宅地域を住居とした。そこで彼はミル・バレー近くのTamalpais高校へ入学し、Leila Steinbergの詩学を受けた。同年にStainbergがShakurの前グループ”Strictly Dope”のコンサートを実施、これがきっかけでAtron Gregoryと契約に至り、1990年ヒップホップグループのヒップホップグループのDigital Undergroundのコンサートスタッフやバックダンサーとしての職に就いた。

Career

1991-1993: Beginnings and rise to fame

プロとしての芸暦が本格的にスタートしたのは1990年代初頭である。1991年の映画「Nothing but Trouble」のサウンドトラックからDigital Undergroundの「Same Song」で歌声を披露、ラップとしてデビューし、そのグループ名と同じ映画で彼らと一緒に登場も果たした。後に彼らのEP盤リードソングとして「This is an EP Release」がリリースされ、このグループのデビューアルバム「Sex Packets」がヒット、このミュージックビデオにもShakurは登場している。彼のラップデビュー後には、再びこのグループのアルバム「Sons of the P.」に参加、それから彼自身のソロアルバム『2Pacalypse Now（2パカリプス・ナウ）』がリリースされた。.このアルバムはどのトップテン入りを生み出さなかったが、Nas（ナズ）、Eminem（エミネム）、Game（ゲーム）、Talib Kweli（タリブ・クウェリ）のような多くのラッパーがインスピレーションを得たと言っていて、多くの批評家やファン達に歓迎された。始めはインタースコープ・レコードからリリースされたが、今はアマル・エンターテイメントがその所有権を持っている。また、アルバム名は1979年の映画「Apocalypse Now」から考えられた。若者がこのアルバムを聞いた後に州警察を銃で撃つという事件がおき、弁護士がその影響の大きさを訴えた後、政治家のDan Quayle（ダン・クエール）も同じく批判した。そういった悪影響を及ぼす等の激しい論争も集めたが、最終的にはクラシックアルバムに挙げられ、ゴールドにも認定された。

セカンドアルバム『Strictly 4 My N.I.G.G.A.Z.（ストリクトリー・4・マイ・ニガズ）』は、1993年2月にリリース、前作よりも好調でビルボード200で24位を記録。彼の政治・社会観を強調するトラックが収められている。2004年で136万6千枚の売り上げを果たした。

1994-1995: Acting and rise to prominence

1993年終わり頃、Big Syke、Macadoshis、彼の義兄弟であるMopreme ShakurとRated Rも含む多くの友人とグループThug Lifeを結成。1994年9月に唯一のアルバム「Thug Life: Volume 1」のみをリリース、それがゴールド認定になった。アルバムから「Pour Our a Little Liquor」をシングルとしてリリース、それはJohnny “J” Jacksonがプロデュース、2 Pacのアルバム『All Eyez on Me』も続けてプロデュースしている。当時、ギャングスタ・ラップについての批判により、このアルバムのオリジナルバージョンが廃盤になり、再度リリースするためオリジナル曲の多くをレコーディングし直した。注目すべき素晴らしい楽曲は「Bury Me a G」、「Cradle to the Grave」、「Pour Out a Little Liquor」（これは1994年の映画「Above the Rim」のサウンドトラックでも流れている）、「How Long Will They Mourn Me?」、「Str8 Ballin」である。レーベル会社Interscope Recordsはその他多くの曲もあったのだが、リリースするには議論を引き起こすだろうと感じ、10曲だけに収めたということである。このアルバムのオリジナルバージョンが完成してなかったが、2 Pacはこのアルバムからシングル曲として出される予定だった、「Out On Bail」を1994年のSourceアワードで披露した。このアルバムはもともとOut Da Guttaレコードからリリースされていたが、後に母親のAmaru Entertainmentレーベルにより所有されている。「Thug Life: Volume 1」はゴールド認定、その中のトラック曲「How Long Will They Mourn Me?」は後に発売される1998年、2 Pacのアルバム『Greatest Hits』にも収録されている。

『Me Against the World』は彼の最高傑作と呼ぶに相応しい。ヒップホップ界もっとも輝かしく、勢力のあるアルバムの1枚とみなされている。243万9千枚の売り上げ、彼の中で4番目に売れたアルバムである。1996年、Soul Train Musicアワードでベストラップアルバム賞を受賞。

「Dear Mama」はこのアルバムから1995年2月にシングルカットされリリース。B面には「Old School」が収録された。「Dear Mama」は一番に成功を収めたシングルで、ホット・ラップ・シングル・チャートでトップ、ビルボードHot 100では9位に達した。1995年7月にはプラチナ認定され、後に年末チャートでは51位に入った。セカンドシングル「So Many Tears」はファーストシングルからわずか4ヵ月後の6月にリリース。ホット・ラップ・シングル・チャートでは、6位達成、ビルボードHot 100では44位だった。3枚リリースされたシングルのうち、低かったが、今でも好調で、ビルボードHot 100で68位、ホットR&B/ヒップホップシングル＆トラックスでは、35位、ホット・ラップ・シングル・チャートでは13位に君臨している。

1996: Final recordings

『All Eyez on Me』は1996年2月13日にデス・ロウ・レコードとインタースコープ・レコードからリリース、1990年代のラップミュージック界では最高の業績と良く言われている。リリース後たったの2ヶ月後の1996年4月に、5xプラチナ認定、そして1998年にも9xプラチナ認定を受けている。このアルバムから「How Do U Want It」と「California Love」がビルボード100で一位を記録。全部で5枚のシングルが出され、彼のこれまでのアルバムの中で一番多いものとなった。その上このアルバム自体、初の2枚組みで、しかもノーカットそのまま、大量生産されたヒップホップアルバムとして歴史を築くことになる。CDは2枚組み、LPは4枚組でリリースされた。ビルボード200、そしてR&B/Hip-Hopアルバム・トップチャートで見事1位に輝く。リリース最初の1週目で56万6千枚を売り上げ、1997年にはSoul Train R&B/Soul or Rapアルバム賞を、第24回アメリカミュージック賞ではFavorite Rap/Hip-Hopアーティスト賞も受賞した。

『The Don Killuminati: The 7Day theory』（短くして『The 7 Day Theory』）はMakaveliという新芸名の下、リリースされた。1996年8月の7日間だけで完成、曲作りとレコーディングだけで3日、編曲で4日という最短距離で出来上がった。ビルボードTop R&B/Hip-Hopアルバムとビルボード200で最高トップ１に輝く。1999年6月15日にプラチナレコード認定される。

Other ventures

Death Row Records

1995年にクリントン・コレクショナル・ファシリティー（ニューヨークにある刑務所）から釈放されたあと、彼はすぐにレコーディングに戻り、Outlaw Immortalz（アウトロウズ）と言うグループを作った。Death Row（デス・ロウ）から初のアルバムをレコーディング、すぐにシングル「California Love」をリリースした。

1996年2月13日に4番目のソロアルバム『All Eyez on Me』をリリース、これは2枚組みで、デス・ロウの下、3枚のアルバムのリリースという契約のうちの1枚目と2枚目であった。900万枚以上の売り上げを達成し、悪ぽいギャングスタ的な方向へ向かわせていた『Me Against the World』の内省的な題材からかけ離れた作品となっている。デス・ロウレーベルでの問題事が増えていたにも関わらず、彼はレコーディングを続けた。ドクター・ドレが自分のレーベル「Aftermath」を立ち上げるためにプロデューサーとしてのポストを退いた。彼ははデス・ロウの下で数百もの曲を作り続け、そのほとんどが彼の死後に出た数々のアルバムとなった。『R U Still Down? (Remember Me)』、『still i rise（スティル・アイ・ライズ）』、『Until the End of Time』、『Better Dayz』、『Loyal to the Game（ロイヤル・トゥ・ザ・ゲーム）』、『Pac’s Life（パックズ・ライフ）』

彼は、また同時にBoot Camp Clik（ブート・キャンプ・クリック）と、また彼らが所属するレーベル、Duck Down Records（共にニューヨークを拠点とする）からアルバム制作に取り掛かり始めていた。

1996年6月4日、彼とOutlawz（アウトロウズ）は、Biggie（ビギー / ノートリアス・B.I.G）と彼と仲が良い人物を攻撃するような酷評に満ちた曲（diss track/批判曲）である「Hit ‘Em Up」をリリース。その中で彼はFaith Evans（フェイス・エヴァンス）と同時にビギーの妻とも関係を持っていたことを明かし、また、Bad Boyの「street credibility」をひどく非難している。彼は自分に対する94年の攻撃はBad Boyの何人かのメンバーがその夜の行動を考えれば、前もって計画していた襲撃だったはずだと確信していた。2005年の雑誌「Vibe」でJimmy Henchman（Bad Boyの最高経営責任者、Sean Combsの友人）とのインタビューによると、襲撃の後、すぐにJimmyは彼からこの事件を画策したことを非難された、と語っている。2 Pacはデス・ロウの最高経営責任者シュグと手を組んで、1995年のジョージアのアトランタ、プラチナムクラブでの事件で、シュグの友人やボディガード、Jake Roblesが亡くなり、そのことでずっとCombs（Bad Boy責任者）に恨みを持っていた。シュグは、Combsの関与の疑いがあるという表明に断固として自信を持っていた。

Outlaws

彼の昔の友人やライバル、Biggie Smalls（ビギー）としても知られているノートリアス・B.I.Gに対してのディスソング（批判曲）「Hit ‘Em Up」のレコーディング中に、以前共に働いたドラマサイダル（後のアウトロウズ）の3人を集め、また一緒にやろうと説得する。3人共にニュージャージー出身のラッパー達というお馴染みの顔ぶれと他の知り合いも含め、結成に至った。彼が釈放後にデス・ロウと契約、サグ・ライフのメンバーで義兄弟のMopreme ShakurとBig Syke、それから、Hussein Fatal、Napoleon、E.D.I. Mean、Kastro、Yaki Kadafi、そしてアウトロウズの中では唯一の女性、Stormが新たに加わった。こうして、Outlaw Immortalzとして結成され、2Pacのマルチプラチナ認定の大ヒットを放すことになる『All Eyez on Me』がリリースされた。後に早過ぎる2PacとYaki Kadafiの死後は、バンド名の”Immortalz”を消し、サグ・ライフのメンバーなしでアウトロウズとして活動していた。デス・ロウからのセカンドアルバム『The Don Killuminati: The 7 Day Theory』をリリース時からメンバーとしてYoung Nobleも参加した。これはMakaveliとして改名して出されたアルバムでもあり、数曲登場したアウトロウズがラップグループの中で一番の関心の下になった。このグループの背景にある構想はそれぞれののメンバーが、現在、過去においてアメリカの様々な専制君主、又は敵の名前と一致する名前を持っている。アウトロウズは後年になってこのグループ名のバクロニム（頭文字を使って意味を持つ）を作った。それはアウトロウズ「Outlawz = Operating Under Thug Laws as Warriorz」とした。これはグループ名の意味を表すという訳でもなく、ほとんど使われなかった。

アウトロウズの結成に関して、2 Pacは彼ら1人1人に独裁者やアメリカの軍隊長か、敵の名前を与えた。

・Yaki Kadaf→ムアンマル・アル＝カッザーフィー（リビアの最高指導者）

・Hussein Fatal→サッダーム・フセイン（イラクの最高指導者）

・Mussolini（元のBig Syke）→ベニート・ムッソリーニ（イタリアの独裁者）

・Komani（Shakurの義兄弟Mopreme Shakur）→Iranian Islamic（革命指導者、ルーホッラー・ホメイニー）

・Kastro→フィデル・カストロ（キューバの最高指導者）

・E.D.I. Mean→イディ・アミン（ウガンダの独裁者）

・Napoleon→ナポレオン・ボナパルト（フランスの軍事戦略家兼最高指導者）

彼自身”Makaveli”という別名はルネサンス時代のイタリア哲学者及び戦略家、ニッコロ・マキャヴェッリから取った。投獄中にマキャヴェッリの著書に影響され、その中で指導者というものは何としてでも敵を消すことが必要不可欠であると、説いてあった。彼の死の前に数回マキャヴェッリ・レコードのことを口にしている。このことは彼が成長中、又は将来可能性のあるアーティストを発掘しようと自分自身のレーベルを立ち上げようとしていたのではないか、と考えられている。また、将来に向けてのプロジェクトが同時に公表されようとしていたのではないか、とも言われている。

Acting Career

ラップとヒップホップという音楽活動に加え、彼は映画でも活躍していた。最初に出演した映画は「Nothing but Trouble（絶叫屋敷へいらっしゃい）」で、役どころとしては、デジタル・アンダーグラウンドによるゲスト出演であった。また初の主演映画は「Juice（ジュース）」で、彼はRoland Bishopという名の暴力的なメンバーの役を演じ、それを見た雑誌「ローリング・ストーン」誌で映画評を書いているピーター・トラヴァースは「劇中で一番魅力ある人物」だと称賛した。続けて「ポエティック・ジャスティス／愛するということ」 (Poetic Justice)、「Above the Rim」に出演した。死後、完成した中の３作品は公開された。それは

「ハード・ブレット仁義なき銃弾」（Bullet）,「Gridlock’d」と「Gang Related」になる。

彼はアルバート・ヒューズ兄弟の映画、「ポケットいっぱいの涙」（Menace Ⅱ Society）で主役として出る予定だったが、攻撃的な兄弟との口論の結果、Larenz Tateが取って代わった。ジョン・シングルトンによると、2 Pacを主役として浮かべながら「Baby Boy」の脚本を書いたと言っている。しかし、結局はタイリース・ギブソンが演じることになった。彼の死から5年後の2001年に公開。劇中、主人公の部屋の壁に2 Pacのポスターが貼ってあった。また音楽「Hail Mary」が流れていた。

Artistry

彼の音楽や哲学は多くのアメリカ人、アフリカ系アメリカ人、世界の実物した人物、また、ブラックパンサー党、Black nationalism（人種の定義を提唱する国家主義）、egalitarianism（平等主義）、リバティをといったものに深く根付いていた。彼の作品には、演劇への熱い思いやシェイクスピアも影響されている。アート専攻のBaltimoreスクール時代では演劇を学び、内部抗争や内部文化の衝突のシェイクスピア心理学を理解していた。1995年のインタビューで、彼は述べている。

「シェイクスピアがこの上なく好きだ。彼はひどく生々しく話を作り上げている。「ロミオとジュリエット」もまさにそうだ。ジュリエットに恋をし、両家とも集結して反対する。2人はこっそり会うが、結局は無駄に死んでしまう、生の悲劇だ。

シェイクスピアのもう1つ悲劇、「Macbeth（マクベス）」。王の妻が、幸せだった男に夫を殺し、自分を追いかけるよう説き伏せる。マクベスが王を殺害した後、この男は、映画「Scarface（スカーフェイス）」の音楽のように妄想を抱くようになる。これは王の妻が無駄にその男の人生を台無しにしてしまったんだ。」

ヨーロッパのインタビューでPhilpsは一番彼について印象に残ったのは、彼の詩であるという。「彼の神聖な感じの文体、神話、格言、聖書にある言葉が私は好きだ。彼が現れた時、私は詩人だと思ったくらいだよ。単に上手い具合に韻を踏んでいるという訳でもなく、リズムでもなく、態度が良い。以前誰も考えもしなかったような異議を唱える音楽とういうか、、、

勇敢で勇気があり、賢明で、いたずらっぽく賢いんだ。そして2 Pac自身について言えば、彼は色んな面を持っている。自分の弱さを書くのも恐れない。」

デビューアルバム『2Pacalypse Now（2パカリプス・ナウ）』で、彼の社会問題に対する思いが見えた。その中の「Brenda’s Got a Baby」、「Trapped」、「Part Time Mutha」では社会的不公正、貧困、警察の蛮行を詩で非難している。このアルバムでの彼のスタイルは、社会懸念やアフリカ主義に対する思いに影響を大いに受けていて、それは1980年代後半から1990年代前半のヒップホップ界にも広まっていった。このアルバムのリリースで、Boogie Down Productions（ブギ・ダウン・プロダクションズ）、Public Enemy（パブリック・エナミー）、X-Clan（エックス・クラン）、Grandmaster Flash（グランドマスター・フラッシュ）のようなラップグループの成功を広めるのに一役買った。彼もまた、西海岸出身の初の社会性の高い一流のラッパーの一人となったのだ。

2作目のレコーディング時に、「The Streetz R Deathrow」、「Last Wordz」のソングのようなアフリカ系アメリカ人の抱えている社会的苦難について制作を作り続けていた。また、「Keep Ya Head Up」のような賛歌で彼の心優しい一面も見せる。だが同時にその一方では、アルバム『Strictly 4 My N.I.G.G.A.Z.（ストリクトリー・４・マイ・ニガズ）』と同タイトル楽曲では、彼の元々持っていた攻撃性を出している。「I Get Around」の陽気な歌では、彼の以前いたグループ、デジタル・アンダーグラウンドに敬意を示している。彼のキャリアを通して見ると、次に続いていく作品では、攻撃性の一面を見せる歌が次第に増えていった。

社会的不平等、不正、抑えのきかない攻撃性、慈悲心、陽気な遊び心、希望という、矛盾したテーマはすべて彼の作品を模り続けた。ちょうど1995年にリリースされた彼の扇動的なアルバム『Me Against the World（ミー・アゲインスト・ザ・ワールド）』、1996年リリース『All Eyez on Me（オール・アイズ・オン・ミー）』が、それを表しているかのようだった。「Ambitionz Az a Ridah」、「I Ain’t Mad at Cha」、「California Love」「Life Goes On」「Picture Me Rollin」を含む多くの曲は沢山の批評家達から、最高傑作だと評された。『All Eyez on Me』は彼の初期の作品から比べると変化が見られる。社会問題の歌やテーマも含まれている一方、このアルバムは初期のアルバムよりも明るい曲で、感情の高ぶる、それでいてより気分の良いものと仕上がっている。彼はこのアルバムで、商業的にも大成功を収め、このことは人生の記念になる祝いのようなものと表現した。

彼は同年代のKate Bush（ケイト・ブッシュ）、Culture Club（カルチャー・クラブ）、Sinéad O’Connor（シネイド・オコナー）、U2のようなイギリス、アイルランドのアーティストにも影響を受けている。

Personal life

彼は、熱心な読書家でもあった。多種多様な本を読んでいる。以下が、彼が読んだ作家達である。

William Shakespeare（ウィリアム・シェイクスピア）、Niccolò Machiavelli（ニッコロ・マキャヴェッリ）、Donald Goines（ドナルド・ゴインズ）、Sun Tzu（孫武）、Kurt Vonnegut（カート・ヴォネガット）、Mikhail Bakunin（ミハイル・バクー二ン）、 Pierre Teilhard de Chardin（ピエール・テイヤール・ド・シャルダン）、 J. D. Salinger（J.D.サリンジャー）、Hermann Hesse（ヘルマン・ヘッセ）、Gabriel Garcia Marquez（ガブリエル・ガルシア＝マルケス）、Henry Miller（ヘンリー・ミラー）、Homer（ホメーロス）、Friedrich Nietzsche（フリードリヒ・ニーチェ）、Sigmund Freud（ジークムント・フロイト）、Carl Jung（カール・グスタフ・ユング）、Fox Butterfield、Robert M. Pirsig、Robin Morgan、George Orwell（ジョージ・オーウェル）、Aldous Huxley（オルダス・ハクスリー）、E. D. Hirsch（エリック・ドナルド・ハーシュ）、Herman Melville（ハーマン・メルヴィル）、Thomas Merton（トマス・マートン）、Evelyn Underhill、Gershom Scholem（ゲルショム・ショーレム）、Bhagavad Gita（バガヴァッド・ギーター）、W. L. Wilmshurst、John Steinbeck（ジョン・スタインベック）、Nikki Giovanni、Sonia Sanchez、Richard Wright（リチャード・ライト）、Alex Haley（アレックス・ヘイリー）、Jamaica Kincaid、W. E. B. Du Bois（ウィリアム・エドワード・バーグハード・デュボイス）、Maya Angelou（マヤ・アンジェロウ）、Alice Walker（アリス・ウォーカー）、Khalil Gibran（ハリール・ジブラーン）

彼はある特定の宗教だけに従うことなどしない、と述べているが、シングル曲「Only God Can Judge Me」での歌詞や、「The Rose That Grew from Concrete」のような詩の中では、神を信じる表現が出てきている。このことを意味するのは、彼を理神論者として、現在の多くの分析者はみなしている。彼はカルマは信じていたが、文字通りの来世、組織的宗教は拒否した。義父のMutulu Shakur、義叔母のAssata Shakur、実の父Billy Garland、母親Afeni Shakurというメンバーからなるブラックパンサー党の一員であった。彼は1994年Source magazine誌のインタビューで異人種間の結婚について反対だ、と述べているが、後になって、このコメントを撤回している。

彼はまたKidada Jonesと婚約していた。

Legal issues

1991年10月、道路横断歩道を無視して横断したと言って、容赦なくたたかれ、侵害されたとしてオークランド警察に民事控訴として1000万ドルを申し立てた。彼は和解金として約43000ドルを受け取ったが、結局その多くは弁護士へ支払った。

1993年4月5日、凶悪な暴力の罪で告発された。ミシガン州立大学でのコンサートでM.A.D.のメンバーChauncey Wynnに野球バットで打とうとした罪だった。1994年9月14日に彼はその罪と引き換えに軽罪として罪を認めた。30日の禁固刑その内20日は執行猶予、また、35時間の社会奉仕を行うよう言い渡された。

1993年10月には、アトランタにて非番中だった警察官、Mark WhitwellとScott Whitwellの2人の兄弟が州の司法試験に合格した彼らの妻達を祝っていた。彼らは酔っ払い、盗まれた銃を所持していたのだ。そして通りを横切った時に、2 Pacの乗った車が彼らを横切り、それがほとんどぶつかっていたも当然だと言い、彼らは言い合いになり、しまいには他の通行人や通りがかりの車までも混じっていった。様々なニュース報道によると、2 Pacは1人の警官の尻を、もう片方の警官の足と、背中か腹部を銃で打った。Mark Whitwellは2 Pacの車を発砲したり、取調べ中には警察に嘘の供述をしていた罪で問われた。2 Pacの方は発砲の罪で告発されたが、検察官より相手に対するすべての罪を取り下げられた。

1994年始め、「Menace Ⅱ Society / ポケットいっぱいの涙」（共同ディレクター；Allen Hughes）に関して、またもや問題を起こし有罪となり、15日間の禁固刑を執行される。

1992 shooting

1992年8月22日、マリン・シティで2 Pacは野外コンサートで公演していて、その後1時間サイン会や写真撮影で残っていた。だが、対立が起こり、彼はコルトマスタング（銃の名前）の引き金を引いたが、それを落としてしまう。メンバーの仲間が銃を拾った時に、弾丸が放出された。100ヤード（約91.44メートル）離れた場所にQa’id Walker-Teal君6歳が居り、学校の校庭近くで自転車に乗っていた。弾丸が彼の額に当たり、亡くなってしまったのだ。銃は2 Pacより登録された38口径のピストルだと警官によって照合され、義兄弟のMaurice Hardingは当初、銃を発砲した疑いで捕まったが、告訴はされなかった。マリン郡検察官は、目撃者がいないため、彼らは窮地に立たされていると述べていた。1995年に男の子の母親が不法死亡訴訟を2 Pacに対して起こした。告訴は、2 Pacが男の子の両親へ30万～50万ドルの和解金を支払うことに合意することで取り下げられた。警官は2人を保護し、証拠不十分としてすぐに釈放することで、彼らを“救出した”。

Attack at Quad Recording Studios

1994年11月30日の夜、性的暴行における裁判の判決が下される前日、2 PacはQuadレコーディングスタジオのロビーで三人組の男から強奪、5発の銃弾にあった。彼は当時のことを、なぜ強盗達は宝石類は盗み、自分のロレックスの腕時計は盗まないのか考えながらも、彼らは攻撃が目的だったのだと思った、と述べている。

彼は1995年、Vibe magazin誌のインタビューで、ショーン・コムスとコムスの仲間のジミー・ヘンチマンと、特にビギーがこの襲撃を企てたと訴えた。Vibe誌は言われている襲撃者の名前は変更し、後にスタジオでの事件はビギーは関与している証拠は挙がってこなかった。ビギーの仲間が事件当時、その場にいて事件を確認した時、2 Pacはストレッチャーに運ばれながら、周りの観衆に中指を立てていたという。

彼は、手術後3時間しか経っていないにも関わらず、医師の指示に背き、ベルヴューホスピタルセンターを抜け出した。次の日に車椅子で法廷へ出廷し、集団での性的暴行の罪で有罪なり、1995年2月6日、彼は1年半から4年半の禁固刑を言い渡される。

Sexual assault

1993年11月、2 Pacと他の仲間がホテルの部屋で女性を性的暴行の罪で告発された。2 Pacは否定した。彼は同意の上で、以前から関係は持っていたと供述。（女性は承知の上で2 Pacと関係を持っていたことは認めた。）原告は彼のホテルへ2回目の訪問時に、彼とその仲間から暴行にあったと主張した。裁判の結果は、第1級有罪判決を受け、”無力な女性に対して残忍な行動をした”として1年半から4年半の禁固刑を言い渡される。Arsenio Hall Show（アメリカのトークショー）で、彼は無罪を訴えた。しかしながら、彼は自分を取り囲む人達と、もっと責任を持って付き合っていかないといけないと述べた。刑を服した後、上訴中で保釈された。

1995年10月、彼は抗告審だったが、弁護料により保釈金140万ドルより上げることはできなかった。9ヶ月の服役の後、デス・ロウ・レコードのCEO、シュグ・ナイトの助けと影響で、クリントン・コレクショナル・ファシリティから釈放された。シュグはデス・ロウの下で3枚のアルバムリリースの契約を交換条件に保釈金140万ドルを支払った。

Prison sentence

1995年2月14日、クリントン・コレクショナル・ファシリティでの服役を始めた直後に、

『Me Against the World（ミー・アゲインスト・ザ・ワールド）』をリリースした。彼は、服役中にビルボード200で第一位をとった初のアーティストとなり、4週連続、トップチャート入りだった。最初の週で24万枚売り上げ、当時では男性ラップソロアーティストとしては売り上げの多い記録を残した。また、投獄中に長く付き合っていた女性、Keisha Morrisと1995年4月4日に結婚した。1996年には離婚している。彼は「不純な動機で」結婚したと述べている。

投獄中に多くの本を読んでいる。Niccolò Machiavelli（ニッコロ・マキャヴェッリ）や、Sun Tzu’s（孫武）の著書「The Art of War（孫子）」、政治哲学や戦略のその他の作品である。また制作上、彼がリリースしたアルバム『The Don Killuminati: The 7 Day Theory』の仮名” Machiavelli”はここから影響を受けていたのだ。このアルバムは以前のに比べて、著しく相違している。アルバムを通して、2Pacは痛みや敵意をテーマに心を注ぎ続けて、彼のキャリアの中で感情的に一番暗い1枚になった。彼はたったの3日で歌詞と録音をやり遂げ、制作に他に4日かかった。トータル7日でアルバムは完成したのだ。（そういう意味でのタイトル名である。）

Death

元記事：Murder of Tupac Shakur

1996年9月7日の夜、ネバダ州ラスベガスのMGMグランドで、ブルース・セルドン対マイク・タイソンのボクシング試合へシュグ・ナイトと一緒に観戦しに行き、試合後、シュグの仲間の1人が、カリフォルニア州コンプトン出身のストリートギャング、Orlando Andersonがロビーにいるのに気づいた。その年の初めにAndersonと彼のグループはフット・ロッカー店でデス・ロウの1人を強奪していた。それを聞いた2 Pacは、彼の仲間とシュグ、その仲間でAndersonに暴行を加えたのだ。その様子がホテルの監視ビデオで捉えられている。乱闘後、2 Pacはシュグとデス・ロウが経営しているクラブ662へ向かった。シュグの1996年ブラックBMW 750iLセダンに乗った。

夜の11時から11時5分、ラスベガスのブールバールで警察から止められる。ステレオの騒音とライセンスプレートがないことが理由だった。数分後、何も罰則なしに解放され、11時10分頃、Maximホテルの前、FlamingoロードとKovalレーン交差点で赤信号のため、停止していたところ、2人の女性が乗った車が、左側に止まり、2 Pacはサンルーフへ顔を出し、彼女達と言葉を交わし、Club662へ一緒に行こうと誘う。11時15分頃、数人乗った白の4ドアで古いタイプのキャデラックが右側へ止まり、窓が開いた途端、すぐに2 Pacに向けて発砲、彼は胸、骨盤、右手、腿を打たれ、また右肺は突き抜けた。ボディガードのFrank Alexanderha言う、彼はシュグの車に2 Pacと一緒に乗ろうとしたが、2 Pacから自分の婚約者、Kidada Jonesの車を運転してくれ、と言われ、もう1台必要なためホテルへ戻っていた、ということだった。そのボディガードは報告書「Before I Wake」に綴っている、襲撃の直後、運転者が攻撃者を追い払ったが、言う事を聞かなかった。警察と救急医療隊が到着後、シュグと傷を負った2 Pacは南ネバダ大学医療センターへ搬送された。ミュージックビデオ監督者Gobiのインタビューによると、病院で、2 Pacはデス・ロウの会社員から銃撃犯はレコードレーベルのもので、2 Pacを脅迫していた者だ、と伝えられた。Gobiはラスベガス警察へそのことを伝えたが、人員不足で調べられないと言ってきた。その後は襲撃は起こらなかった。2 Pacは何度もベッドが抜け出そうとしていたが、強い鎮静剤を投与されていて、生命維持装置が置かれていた。バルビツレート（多用により薬剤への耐性が生じ、次第に効かなくなる。そのために服用量を増やして行きがちになる。服用を中止すると神経が超興奮状態になり、時には死に到る。）による昏睡状態陥っていた。重症管理室に置かれた彼は、1996年9月13日の金曜の午後、医者は蘇生させようと試みたが、彼の母、Afeniが、止めるよう医者に伝え、出血を止められることも出来ずに、皮下出血のために死亡した。死亡確定時刻、夕方4時3分。死亡理由は、心配停止と呼吸不全だと公式で伝えられている。遺体は次の日、火葬され、彼の灰とマリファナを混ぜ、アウトロウズのメンバーで吸った。しかし、E.D.I. Meanは2014年のインタビューで、当時は彼の灰をだと思っていたが、後になって、彼の灰は入っていなかったことが分かったと、述べている。彼の死から2ヶ月後、彼の5作目、『The Don Killuminati: The 7 Day Theory』がリリースされた。

Aftermath

2002年、LA Times誌が、事件記者のChuck Philipsによる前編、後編に分かれる記事「Who Killed Tupac Shakur?（誰が2 Pacを殺したのか？）」を掲載した。これは犯罪事件を再現、1年に及ぶ調査に基づいていた。集められた証拠が示していたのは、Southside Cripsと呼ばれるコンプトンのギャングのメンバーが、数時間前にメンバーの1人が攻撃され、その復讐として、襲撃が実行された。攻撃された当の本人、Orlando Andersonが2 Pacへとどめの1発を撃った。ラスベガス警察は彼を容疑者だと疑いもせず、事情聴取も1度だけ、簡単に済ませた。彼は後に、関係のないギャングから襲撃に合い、殺されている。Philipsの記事はまた、2 Pacの当時ライバルだったイーストコースト・ラッパーのビギーの関与もリポートしている。彼は何度かニューヨーク犯罪にも関与しているのだ。

ビギーもAndersonも関与を否定している。その主張を裏付けるかのように、ビギーの家族が、当時の射撃が合った夜はビギーはニューヨークレコーディングスタジオで制作中だったということを示す、その時に使用したであろう請求書等をコンピュータ化にして収めていた。ビギーの母親、Wayne Barrowとラッパー仲間のLil’ Ceaseはビギーは関与していないと公表、当時は一緒にスタジオでレコーディング中だったことを主張した。

New York Times誌はその証拠は”結論が出ない”と称した。

書かれた内容は、Daddy’s Houseからの3台のコンピュータからプリントアウトされていることを書かれてる。当時2 Pacが射殺された午後、Wallace（ビギー）は「Nasty Boy」のレコーディングでスタジオにいたと示されていた。このことは、Wallace（ビギー）演奏の半分を制作中、最初のテイクを比べると比較的、「スタジオを出たり入ったり、ヴォーカルを押し付けたりしていた」、という。しかし、書類が作られた時は何も証拠になるものはなかった。書類に記載されていたレコーディングエンジニアのLouis Alfredによると、昼間ではなく、夜遅くにビギーはレコーディングしていて、演奏した日は覚えてないが、　2 Pacが撃たれた夜ではなかった気がすると言っている。

その上、Philipの記事は警察の宣誓供述書と事件の目撃者や、メンバー以外で殺害について口論したことがないSouthside Cripsのメンバーとのインタビューも含めた裁判書類に基づていた。LA Times誌の編集局次長のMark Duvoisinは書いている。「Philipの記事は正確さを求めるため、試練に耐え抜かれている。2 Pacの殺人の決定的な証拠はまだ残ったままだが。。」

Legacy

Mobb Deepはコンサートで彼の死を悼んだ。『The Don Killuminati: The 7 Day Theory』の発売で、ファン達は「Makaveli（2 Pac）」の死を嘆いた。アルバムの影響は大きかった。メディアでは’沿岸間における紛争’と呼んだ。

他のMC達からも尊敬され、Bishop Lamontの著書「How to Rap」では、すべての要素を極めていた、と言っている。また、グループOnyxのFredro Starrは、彼を「創造の達人」と言い、50セントは「90年代成長してきたラッパー達は2 Pacにその恩恵を受けている」と書いた。About.com（ネット上の情報雑誌）は「彼より勝る者はいない」と、今まで一番影響力のあるラッパーだと称した。

彼の伝説を失わないようにと、母親が「Shakur Family Foundation（その後、Tupac Amaru Shakur Foundation 略してTASFと改名）」を設立。「自分達の創造的才能の強化を目指す生徒達を訓練しサポートする」ことを使命として公表された。TASFは10代や大学生のためのエッセイコンテストやチャリティイベント、舞台芸術のためのデイキャンプを後援している。その設立は2005年6月11日、ジョージア州ストーン・マウンテンでTupac Amaru Shakur Center for the Arts (TASCA)　として正式にオープンした。2003年11月14日、ドキュメンタリー映画、「Tupac: Resurrection（トゥパック：レザクレション）」は彼の母親の監視の下で公開、全部を通して彼の声で物語っている。これは2005年アカデミーショーでベストドキュメンタリー部門でノミネートされた。その収益は彼の母、Afeniによるチャリティー設立の費用へ回された。2003年4月17日ハーバード大学が、タイトル名「All Eyez on Me: Tuapc Shakur and the Search for the Modern Folk Hero」のアカデミックシンポジウムの共同スポンサーになった。演説者達は2 Pacのエンターテイメントから社会学的なことまで、すべてに影響を与えた彼に関わる様々なトピックについて討論した。多くの演説者達は2 Pacの地位と素顔を討論した。その中でも、ニューヨーク州立大学バッファロー校の英語学教授、Mark Anthony Neal氏が「Thug Nigga Intellectual: Tupac as Celebrity Gramscian」で語っている。2 Pacは”有機的知識人”として例えて、大集団の中でもっとも関心のある人物だと表現している。Neal教授はまた、著書の中で彼の死は”ヒップホップアーティストの中でリーダシップとしての空虚感”を残している、と示している。さらに、彼を”矛盾を絵に描いたような人である”と称し、彼という地位が”一般の人達にとって知識人になるということをもっと身近にした”とも述べている。ノースイースタン大学のコミュニケーション学教授のMurray Forman氏は彼の生と死について神話的ステイタスだと口にし、”Tupac Shakur: O.G.（表面上は亡くなってしまった）”という題目での講演で、彼の死の周りの象徴性と神話性について述べた。彼に関する研究結果の中で、ファン達が”2 Pacを美しい生命力を感じるように生き返らせた”。ノースイースタン大学音楽家教授、Emmett Price氏は”From Thug Life to Legend: Realization of a Black Folk Hero”で、彼の一般的なイメージと、奴隷制度時代から都会の”悪人”的人物へとのし上がって来たアフリカ系アメリカ民族の奇術師的な人物像とを比較した。Emmett氏は、最終的に、彼を、”心、体、魂の統一”を求めて、ひどい緊迫感によって突き動かされながら、多くの作品を残したアーティストだと言い表した。

「Holler If You Hear Me: Searching for Tupac Shakur」の中でMicheal Eric Dysonは、”2 Pacは、自分の土台など無しに苦しみを証言する人物として、才能と、すぐれた洞察力で話をし、自分の断片的なアイデンティティで苦しみながらも真実を話してくれた”と述べている。ハーバード協議会では2 Pacのエンターテイメント、人種間関係、政治、ヒーローと殉教者における影響力というテーマで討論が行われた。1997年、カリフォルニア大学バークレー校が、「History 98: Poetry and History of Tupac Shakur」という学生主導のコースを提供した。2003年後半、母親のAfeniよるMakaveli Branded Clothingというブランド物の衣類店を立ち上げた。2005年にはデス・ロウから「Tupac: Live at the House of Blues」がリリース。このDVDは1996年7月4日に行われた彼の最後の講演録画で、デス・ロウからの大勢のアーティストも出演している。2006年8月には「Tupac Shakur Legacy」がリリース。Jamao Josephによる最新画像も含む伝記である。今まで見れなかった家族の写真や公には語れなかった話、20ページ以上の取り外しの出来る彼の手書きの歌詞、契約書、台本、詩、その他個人的な書類ものの複製本も付いている。2006年11月21日に、彼の死後にリリースとなった6作目になるアルバム『Pac’s Life』。彼の死から10周年の追悼アルバムになる。彼は今でも尚、2006年のミュージック界でもっとも人気のあるアーティストの１人とみなされている。

Forbes誌によると2008年、彼の遺産は1500万円だという。2002年に、亡くなった有名人でもっとも稼いだ中で10番目に入るだろうと言われている。

アメリカテレビ番組BETは’史上もっとも影響力のあるラッパー’に2 Pacを挙げた。それからまた、女好きの男、暴力、革命児、などのラッパーが持つ困惑したイメージを、彼は、ラッパーとはどうあるべきか、どのような行動を取るべきかという我々の認識を、永久に変えてくれた、と書かれている。50セントのJa Rule、Lil Wayne、Freddie Gribbsのような新人や友人からライバルになってしまったビギーも、2 Pacがいままで一番まねされているMCだというのは簡単に分かるものである。ニューヨーク、ブラジル、シエラ・レオネ、ブルガリア、その他数え切れない至る所に、彼の肖像だと分かる壁画がある。アトランタやドイツには彼の銅像も建ててある。簡単に言えば、2 Pacのように過去も現在も世界中ずっと魅了され続けているのラッパーはいない、ということだ。

2012年4月15日、コーチェラ・フェスティバルで、2 Pacのホログラム（正確に言えば、2Dビデオプロジェクション）が、彼の曲「Hail Mary」と「2 of Amerikaz Most Wanted」をSnoop Dogg（スヌープ・ドッグ）と公演した。この効果はペッパーズ・ゴーストと呼ばれる視覚的な幻影を使って作り出されていて、ビデオ撮影は特撮会社Digital Domainが制作した。Wall Street Journal誌はDr. Dre（ドクター・ドレ）とスヌープ・ドッグが自分達2人と2 Pacのホログラム版の共演でツアーが出来るかどうかという話の中から生まれた。しかし、後になってドクター・ドレは、その話を辞退したのだが。

Accolades and honors

2003年MTVの「グレイテス22トMCs」で視聴者からの投票により「ナンバー１MC」として2 Pacが選ばれた。2004年には、VH1でDJ Hollywood、Kool DJ Herc（クール・ハーク）、KRS-One（KRS・ワン）、Public Enemy（パブリック・エナミー）、Run–D.M.C.、Rock Steady Crew、Sugarhill Gang（シュガーヒル・ギャング）と一緒に「ヒップホップ・オーナーズ」に輝いた。2004年のVibe magazine誌では2 pacは「史上もっとも素晴らしいラッパーの1人」にファン達からの投票で、輝いた。

2004年、2 Pacはギネスブックにこれまでで、もっとも売り上げの高かったラップ/ヒップホップアーティストという称号を与えられた。

2005年、Rolling Stone誌は「いつまでも不滅なアーティスト100」で86位に挙がった。エルビス・プレスリー、マイケル・ジャクソン、ジョン・レノンの後に続いた。MTVの「グレイテストMCs」では、第2位にランクインした。2002年、彼はヒップホップ界の殿堂入りをした。VH１では、VH1グレイテストアーティスト100で69位にランク付けされた

タークス・カイコス国際映画祭が2006年10月17日火曜日に開催され、2 Pacの非の打ちどころのない歌声、才能、人種や民族、文化を超えたパフォーマーとして栄誉を授けられ、彼の母親が、彼の代わりとして受け取った。2008年、全国レコード小売協会がロックの殿堂と連動して、彼をとても影響力のあるアーティストとしてみなし、「Definitive200」のリストに付け加えた。2010年6月23日水曜日、 2 PacはLibrary of Congress’s National Recording Registry（米国議会図書館のアメリカ国立レコーディング登録簿）へ登録された。カトリック教会の流れる音楽で、ソーシャルネットワークのストリーミング音楽サービス上で12曲が発表され、その中にはモーツアルト、MUSE、Dame Shirley Bassey（シャーリー・バッシー）も含まれていたが、そのリストに2 Pacが襲撃に合い亡くなった2年後にリリースされた1998年のアルバム『greatest hits album（グレイテストヒッツ）』から、「Changes」がリストに載った。彼の2枚組のアルバム『All Eyez on Me』は今までで一番売れたラップアルバムの1つであり、1996年4月までにアメリカ合衆国だけで、500万枚以上の売り上げに達している。これは最終的に、1998年6月、RIAAにより9xプラチナ認定をされた。

2 Pacのヒットソング「Dear Mama」は2010年のNational Recording Registry（アメリカ国立レコーディング登録簿）に付け加えられた25曲中の1曲である。米国議会図書館はこの曲を、中毒者、貧困、社会に無関心という世の中を目の前にしても家族を支えようと奮闘しているすべての母に対して、敬意を示した感動の曲であると言っている。2 Pacが39回目の誕生日になるはずだったであろう日の7日にその栄誉が称えられた。彼は、Grandmaster Flash（グランドマスター・フラッシュ）とpublic enemy（パブリック・エナミー）の下、著作権局は除き、米国議会図書館で3番目のラッパーとして殿堂入りした。

オフィシャルホームページ（英語）：http://2pac.com/

■ALBUM■

2Pacalypse Now (1992)